財産分与・慰謝料

財産分与の制度は、戦後の民法改正によって新設されました。この制度は離婚配偶者とりわけ経済的弱者である妻を保護するためのものであり、離婚の自由を経済的な面から保証するものです。財産分与は単なる手切れ金といったものではありません。夫が外で働いて築いた財産は、夫名義であっても妻の内助の功によるところが大きい。財産分与は、この妻の協力による潜在的な持分を離婚に際して分割して返還するという性格と、加えて離婚後の生活を保証する扶養手当てという性格を持ちます。
慰謝料の場合は、夫がほかに女をつくった場合のように離婚に責任のある者に対する損害賠償請求という性格を持ちます。このように財産分与請求権と慰謝料請求権の性格は異なっていますが、裁判所は、慰謝料の部分を財産分与に含めて請求することを認めています。財産分与を請求するには、まず、夫婦間の協議によります。分与すべき額に上限はなく、相手方に財産がなくても、毎月の給料の中から5万円ずつ5年間支払うというように分割払いも可能です。協議が調わないときは、家庭裁判所に対して調停又は審判を求めることもできます。ただし、離婚の時から2年以内でなければなりません。裁判所は、財産分与にあたつては、夫の財産の多少、種類、婚姻継続の長短による妻の協力度、妻の方の財産収入、離婚による窮迫事情、妻の離婚原因に対する責任の大小、子の養育費など、いろいろな事情を考慮して決めます。支払いなどの約束を確実にするには、公証人役場で公正証書を作ることを勧めます。

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