督促手続

Xは、Yからその所有する建物につき冷暖房工事一切を代金五五〇万円で請け負い、工事完成後Yは四五〇万円は支払いましたが、残代金一〇〇万円はどうしても支払いませ。そこで、XはS簡裁に残代金ならびに年五分による損害金を目的とする支払命令を申し立て、これを認容した支払命令につき仮執行宣言が付されましたが、Yはこれに対し異議の申立てをしました。
S簡裁は、異議の申立てがあれば、どのように処置するでしょうか。
S筒裁のした異議の適法、不適法の判断は、その後の手続を主宰する裁判所を拘束するでしょうか。
仮執行宣言付支払命令に対する異議後の手続における審判の対象は何でしょうか。
この場合における終局判決の主文はどのような文句を用いるべきでしょうか。
この場合における終局判決の事実および理由の記載に仮執行宣言付支払命令を引用することができるでしょうか。
かりに、仮執行宣言付支払命令に対する異議後の終局判決で支払命令が取り消され、Xから上訴がなされ、Yが上訴審で同支払命令に基づく強制執行の停止決定を求めたとすれば、裁判所はどのような裁判をすべきでしょうか。

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S簡裁はまず異議の適法性を審査し、不適法と認めれば決定で却下します。異議が適法であれば請求の価格に従い、支払命令申立時にS簡裁または管轄地裁に訴えの提起があったとみなされるから、適法と認めるときは書記官に訴訟記録を管轄地裁へ送付するよう命じます。移送の決定は不要です。ちなみに、Xは当然印紙を追貼しなければなりませんが、これを怠るときは裁判所は訴え却下の判決をします。
(イ)S簡裁が異議を適法とした判断については、爾後の手続ではこの判断を争うことはできず、確定的に拘束力を及ぼすとの説と、その審級に対しても上級審に対しても全く拘束力を及ぼさず、爾後の手続中異議を不適法と認めれば判決により却下でき、これに対してはさらに上訴できるとの説に分かれていますが、仮執行宣言後の異議は確定遮断という重大な効果を特つので、開戦の最初の判断がその後の手続を拘束することは疑問です。(ロ)S簡裁が異議を不適法として却下する判断(決定)に対しては即時抗告できます。もし抗告審が異議を適法として原決定を取り消し、それが確定したときは、S簡裁は異議を適法として処置せねばなりません。爾後の手続で再び異議を不適法として却下する判決ができるかは、疑問はありますが、言定すべきでしょうか。
審判の対象は、(イ)原告の請求であるとの説、(ロ)異議の当否だとの説、(ハ)異議の適否と原告の請求であるとの説に分かれます。(イ)説が判例、多数説です。
(イ)説では、(1)たんに請求を認容または棄却するとの説(支払命令は異議申立時から判決確定時までの間に当然失効する)と、(2)支払命令を認可または取り消し変更するとの説(支払命令は当然には失効しない)とに分かれます。(ロ)説では、異議を棄却または支払命令を取り消して請求を棄却することになります。(ハ)説では便宜上(イ)(1)と同じとされます(理論上は支払命令は判決確定時に当然失効する)。

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