再審1

Xは、Yから土地を買い受けたと主張し、その所有権移転登記手続請求の訴えを提起しましたが、Y欠席のままX勝訴の第一審判決が言い渡され、Yに対する判決の送達後二週間が経過しました。
設例の訴訟につき、次のような事情があるときには、Yは、第一審判決に対し再審の訴えを提起できるでしょうか。また再審以外の救済手段を有するでしょうか。
(イ) XがYの住居を知っているのにかかわらず、それを秘し、Yの所在が不明であるとして公示送達の申立てをし、その許可を得たとき。
(ロ) Xとしては少し調べればYの住居を知ることができるのに、それをしないで公示送達の申立てをし、その許可を得たとき。
(ハ) 訴状やロ頭弁論期日の呼出状、判決などの送達はYの住所で、同居のYの妻Aにより受領されましたが、Aがこれらを毀棄ないし隠匿してYに知らせなかったため、Yが訴訟の係属を全く知らなかったとき。
(ニ) XがことさらにYの住所でない訴外B方をYの住所として訴状に記載し、Bに「Yあての訴訟についての郵便物が裁判所から来たら預っておいてくれ」と依頼して、訴状・呼出状・判決など一切の送達をそこで行なわせたとき。
口頭弁論終結後にYから土地を譲り受けたZは再審原告となりうるでしょうか。

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第一審判決送達後二週間を経過すれば、控訴期間を徒過し、第一審判決は確定しています。送達に種々の違背があった場合に、再審等の救済が受けられるか否かです。
(イ) 公示送達が行なわれたかぎりにおいて送達は有効であり、公示送達のために掲示がなされた日の翌日に送達の効力を生じます。設問の場合、Yは控訴期間を徒過したことになりますが、その責に帰し得ない事由により公示送達を知らないときは、控訴の追完を許すべきです。この場合、Xの故意、過失は問題となりません。また、Xが裁判長を欺いて公示送達の許可を得たのは、いわゆる確定判決の騙取にあたり、Xが詐欺によりYの抗弁および証拠提出の機会を奪ったことになる点で民事訴訟法四二〇条一項五号後段の再審事由に該当します。Yは再審事由を知った日より三〇日内に再審の訴えを申し立てることができます。Yはいずれの方法によっても救済を求め得ます。
(ロ) Xは過失によってYの住所を知らなかったので、四二〇条一項五号後段の事由に該当しないし、また、訴訟行為をなすに必要な授権の欠訣あるときには該当しません。しかし、Yがその責に帰しえない事由により、公示送達を知らなかったときは、(イ)の前段と同じく控訴の追完が許されます。
(ロ) 呼出状、判決の送達をYの妻が受領した場合、補充送達は有効に行なわれたことになりますが、妻の隠匿などによりYが全く訴訟について知らなかった場合、妻も四二〇条一項五号にいう他人であるから、同号の再審事由にあたり、再審の訴えを提起できます。
(ニ) 当事者の確定につき表示説をとれば、被告はYであるから、判決の効力はX・Y間に生じ、Bには及ばない。Yは判決確定後は四二〇条一項三号により再審の訴えを起こし得ます。
再審の訴えの原告適格を有する者は、確定判決の名宛人たる敗訴のYであるのを原則としますが、口頭弁論終結後の一般承継人はもちろん特定承継人も再審原告となり得ます。Zは訴訟承継の手続を経ずにYの特定承継人として再審の訴えの原告となります。

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