附帯控訴

Xは、その所有するビルの一階(店舗)および二階(居宅)をYに賃貸したが、Yがその賃料を支払わないので、賃貸借契約の解除をし、ビルの一階の明渡しを求める 訴えを提起し、裁判所は、Xの請求を全面的に認める判決をしました。
Xは、二階の明渡請求を第二審で追加するために、控訴することができるでしょうか。
Yが控訴を提起したとき、Xは第二審で二階の明渡請求の追加をすることができるでしょうか。
この場合に、のちにYの控訴が不適法として却下され、または控訴の取下げがあったときは、Xの請求の追加はどのような影響を受けるでしょうか。
設例において、Yの控訴に基づく控訴審の係属中、Zが係争ビルの一階の所有権は自己に属するとして、Xに対しては同所有権確認、Yに対してはビルの一階の明渡しを求めて民事訴訟法七一条の参加を申し立てることができるでしょうか。

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設例においては、第一審においてXが全面勝訴しており、かつ、数量的残額請求と異なって、本判決確定によって二階の明渡請求が既判力によって遮断される訳ではありません。したがって、Xの請求拡張のためにする控訴は適法とは解されません。
そもそも明渡請求の追加ができるかという問題と、いかなる方法によるべきかという問題があります。前者については、判例、学説とも肯定の態度で一致しています。後者については、たんなる請求の拡張でよいか、あるいは附帯控訴の方式によるべきかについて考えが分かれていましたが、最近では附帯控訴の方式に一致しています。もっとも判例によれば、必ずしも形式的に附帯控訴という名目を当事者が掲げることを要しません。
Xの請求拡張のための附帯控訴は、控訴審の口頭弁論終結までできます。
附帯控訴は、あくまで本来の控訴に附随してなされるものであるから、本来の控訴が却下され、あるいは取り下げられると、その効力を失います。したがって、Xの請求の追加は失効する訳です。
主たる控訴が却下され、あるいは取り下げられても、附帯控訴が独立の控訴としての要件を備えていれば、独立の控訴とみなされ失効しません。Xの追加請求が独立の控訴の利益を備えていると考えられることは、先にみた通りであるため、これに加えて二週間の控訴期間が遵守されている場合には、Xの追加請求を独立の控訴とみなすことができます。この場合には、Yの控訴の却下、取下げによってXの追加請求は影響を受けません。
独立当事者参加は、訴訟係属中になされることが要件であるから、控訴審においても許されます。この参加の申出は、実質的には訴えの提起であるから、請求の趣旨、原因および参加の理由を書面に記載してなすべきです。また同時に控訴の提起でもあるから、第一審判決の取消しを請求する旨を明らかにする必要があると考えられます。

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