独立当事者参加2

山林の登記簿上の所有名義人はYですが、XはYを相手どって、Yの所有権取得登記の抹消登記手続請求の訴えを提起しました。この訴訟におけるYの訴訟活動がはなはだ精彩を欠き、放置すると敗訴におもむく気配が濃いので、Yに対しかなりの金員を融通している債権者Zが、民事訴訟法七一条による参加の申出をしました。
参加にさいし、Zとしては、XおよびYに対する関係で、それぞれ、どのような判決を求めるべきでしょうか。
Xは、その先代AとYとの間になされた山林売買の虚偽表示による無効を主張し、Yはこれを認めましたが、Zは否認し、証拠の申出をしました。裁判所はどのように処理すべきでしょうか。
参加申出の当時にZがYに対し有していた債権はその後全額弁済されたことが、訴訟上明らかとなりました。裁判所は、Zに関しどのように裁判すべきでしょうか。
ZのXおよびYに対する各請求を認容する判決がなされ、XだけがZを被控訴人と表示して控訴したとします。Yの訴訟上の地位はどうなるでしょうか。
ZがX、Y間の訴訟が馴合いであることを知ったのは、すでにX勝訴の判決が確定した後であったとします。Zとしてはどういう手段をとりうるでしょうか。

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ZはXおよびYに対し等しく、山林がYの所有に属することの確認判決を求めることになります。民事訴訟法七一条前段の要件の解釈をめぐって判例、学説の間に数説あることは周知のとおりですが、本設例でYが他に十分な財産を持たないかぎり、その要件に該当することは、最も厳格な説といえども認めると思われます。
Xの主張をYが認めても、Zが否認するかぎり、権利自白または自白は成立せず、Xは虚偽表示の事実を証明しなければなりません。
Zの債権が全額弁済されれば、Zの参加申立てはその要件を欠くことになるから、裁判所は、本訴判決前に一部判決で、または本訴判決と同時に全部判決で申立てを却下します。一部判決がなされたときは、それが確定するまで本訴の訴訟手続を中止すべく、もし中止せずに本訴の終局判決をすれば上訴により取り消しうるとするのが多数説です。しかし、本訴の終局判決はできませんが、審理は続行でき、参加人も却下判決が確定するまでは訴訟に関与できるとの説や、本訴の終局判決もできるとする説もあります。いずれにせよ、参加の適否と本訴との審判が隔絶されないよう配慮する必要があります。
Yが控訴人になるのか、彼控訴人になるのかの問題で、(1)常に被控訴人、(2)常に控訴人、(3)Z(参加人)がX(本訴当事者の一方)に対して控訴したときは、Y(本訴当事者の他方)は被控訴人ですが、本設例のようにXがZに対して控訴したときは、Yは控訴人、(4)通常の場合は被控訴人ですが、Zの請求をYが争わず、Z・Y間に実質的な共同関係(利害の一致)がある場合は、YはZと同じ地位に置かれるので、本設例の場合は被控訴人、(5)個々の問題ごとに必要に応じ、あるときは被控訴人、あるときは控訴人とみる説に分かれます。(1)説が多数説ですが、個々の問題を離れて被控訴人とか控訴人とか議論することは不必要とも不可能とも思われます。
旧民事訴訟法四八三条は、第三者に詐害判決に対し再審の訴えを提起することを認めていました。現行法にはこれに対応する規定がないが、四二〇条一項五号の類推により、あるいは商法二六八条の三などの類推により再審の訴えを認める見解が有力です。

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