反訴

Xは、平成一七年四月二三日、Aより土地を買い受け、同年一一月二一日その引渡しを受けました。Xはただちに同地上に家屋を建てる工事を開始しましたが、Yが屈強の若者二名を作って同土地に侵入し、直ちに建てかけた建物を撤去すべき旨を主張して退去せず、Xの工事を妨害しました。そこでXは、占有権に基づき妨害の停止を求める訴えを提起しました。
これに対し、Yは、本作土地は自分がAから平成一七年四月一一日に買い受け、七月九日移転登記を受けたもので、Xは何ら権限がないのに土地の上に建物を建てようとしていると主張し、建物収去、土地明渡しの反訴を提起しました。
Yの反訴は許されるでしょうか。
仮に反訴が要件を欠き許されないとすれば、裁判所はどのように処理すべきでしょうか。
次の場合は反訴が許されるでしょうか。
(イ) ある交通事故に基づく損害賠償請求の本訴に対し、同一事故に基づく損害賠償請求の反訴を提起したとき。
(ロ) 名誉毀損による損害賠償請求の本訴に対し、全く別個な事実を理由とする営業妨害による損害賠償請求の反訴を提起したとき。
(ハ) (ロ)の本訴に対し、売買代金債権で相殺を主張するとともに、同位権弁済請求の反訴を提起したとき。
(二) 手形訴訟による手形金請求の本訴に対し、別の手形債権に基づく反訴を提起したとき。

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占有の訴えに対する本権に基づく反訴について民法二〇二条二項を根拠に否定したものもありますが、最高裁は本条が占有の訴えに対する防禦方法としての本権の主張を許さないもので、反訴まで禁じたものではないとの理由で肯定しました。学説は民法の規定、占有訴訟の緊急性の要請、および本訴、反訴の両者認容の場合における処理の困難性から否定するのが有力です。ただ、現行民法には占有訴訟について特別の規定がないこと、反訴を許すことによる訴訟遅延は弁論の分離ないし一部判決によって防ぐことができること、および面訴認容の場合の問題の処理は執行の段階で本権を優先させることにより可能であること、などから反対説も唱えられています。
反訴は訴訟係属中の新訴の提起であり、その併合要件は同時に反訴提起の要件であるから、この要件を欠く反訴は終局判決で却下すべきだとするものと、要件を具備した反訴でも本訴との併合審理が保証されているのではなく弁論の分離、一部判決の可能性もあり、また反訴原告の再訴のための手数と費用、および反訴を却下することによる時効の中断、期間遵守の利益の喪失という実体上の不利益を理由に、独立の訴えとして本訴と分離して審判すべきだとする説が対立しています。
(イ) 反訴の請求は本訴の請求と関連するので異論なく許されます。
(ロ) 両訴の請求の間に関連性がなく、また防禦方法とも関連しないので反訴の要件を欠き許されません。
(ハ) 防禦方法が相殺禁止などのため実体法的におよそ成りたたないときは、反訴は許されません。
(ニ) 民事訴訟法四四五条(反訴の禁止)、反訴を許した場合の判決の定型化の困難、審理の遅延などの理由から手形債権に基づく反訴は許されません。ただ立法論として、否定説の根拠はかならずしも合理的なものではないことから、反訴禁止規定の削除も主張されています。

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