公営の保育園等で子供がケガをした場合

公営の保育園や遊園地で子供がケガをした場合といっても、大別すると二つになりましょう。
その一は、その保育園や遊園地の遊具、池の橋などが朽ちていて落ちたとか、道路に穴がおいていてそれにつまずいたとかいうように、その施設にキズがあったか施設の管理や保存に過失があったことによる場合です。
その二は、施設の管理に過失があったのではなく、子供が危険な遊びをするのを監督、監視することに過失があったことによる場合、すなわち保育園の保母がちよっと目を離している間に池に落ち込んだり、高い所から跳びおりる競争をしたり、鬼ごっこをしてあぶない場所に隠れたりしているのを注意してやめさせなかったりしたことのためにケガをした場合です。
いずれの場合にも、国や地方公共団体の賠償責任が問題となります。
第一の場合は、いわゆる公の営造物の設計、管理の瑕疵にもとづく損害賠償の問題になりまして、その保育園や遊園地を設置している国とか、市町村とかが、その賠償責任を負うことになりますから、子供に親権者たる父や母があれば父や母が、なければ後見人が子供を代理して損害賠償の請求をすればよいことになります。
子供には十分な判断力や注意力がなく無鉄砲に遊具を使ったりすることもありますので、遊園地などでは、親なり兄なり、その他監護すべき者が付き添い、危険な施設をさけるように注意すべきですから、この注意を怠った場合には、子供の側に過失があったとして、損害賠償の額の算定について斟酌されて、全損害から減額された賠償しかもらえないことになります。
ただ、保育園の施設の瑕疵でケガした場合は、保育園長が保母などをして十分監督させる責任を負っていると思われますので、親の過失は斟酌の余地がないと思います。

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第二の、保母などの不注意で子どもが怪我した場合は、親権者や後見人など監護権者が、一定の時間、監護を保育園に委ねている間の怪我ですから、保育園施設の設置者つまり市町村と子の法定代理人との間の子の監護委託契約義務の不完全な履行の結果であり、不完全履行を理由として損害賠償を請求することができると思います。公営であっても、監護委託契約は私法上の契約と考えてよいものでしよう。この場合、賠償請求者は子供自身で、法定代理人が代理して請求することになりましょうが、相手方が誰であるかは問題です。法人たる市町村が、その監護受託義務の履行を履行補助者たる園長や保母によって行なっているわけで、保母の世話、監護の不行届により子供が怪我をすれば、市町村が賠償責任を負わねばならぬことになると思います。
なお、公営の保育園の保母などが預かっている子供を懲戒するときに、その仕方が濫用にわたり子供にケガをさせたという場合ですと、国家賠償法一条の「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたとき」に当たる可能性があり、国または公共団体がこれを賠償する責めに任ずることに なります。
そして、この場合の国や公共団体の責任は、国や公共団体固有の責任か、園長や保母の責任を代わって負う代替責任かが問題ですが、一般の私法人、病院その他の企業など使用者がその被用者の不法行為につき責めを負ういわゆる使用者責任と同様であって、被用者自身に故意、過失がなければ、国や公共団体の責任も問題となりえないと解すべきでしょう。しかし、使用者責任は,使用者が被用者の選任、監督について過失のなかったことを立証して免責されることができますが、国や公共団体にはこの免責がありません。そして、国や公共団体が賠償した場合の園長や保母などへの求償は、彼等に故意または重大な過失があった場合に限られます。

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