預けた品物が紛失破損した場合の業者の責任

商人が営業の範囲内で顧客の物を預かった場合には、その責任は商法の規定によってきわめて重くされています。民法の規定によると、無償で寄託を受けた者は自己の財産に対すると同一の注意をして保管する責任を負うにすぎませんが、商人が受託者たる場合は、無償のときでも、善良な管理者の注意をもって保管をしなければなりません。駅前や社寺、名所付近の茶店や土産物店が無償で手荷物を預かる場合など、営業の範囲の受託といえるかが多少問題ですが、クリーニング屋がクリーニングするために預かったコートなどについては、営業の範囲内であることは明らかですから、もちろん善良な管理者の注意をもって保管しなければならず、コートをなくされた客は、その損害の賠償を債務不履行を理由として請求できます。なお、この損害賠償請求権は、仕上り引渡しの約束の日から五年の時効にかかると思います。

スポンサーリンク

お金を借りる!

旅館、浴場など、客の来集利用を目的とする設備が来客の物品を預かる場合は、場屋寄託といって、営業者の責任が特に重くされています。それは、一般に不特定多数の出入り集散があって、客の携帯品につき盗難、紛失の危険が少なくないからです。すなわち、これら場屋の主人は、客から特に寄託を受けた物品については、それが滅失、毀損したときは、不可抗力によったことを証明するのでなければ損害賠償の責任を免れないことになっており、主人は自己または使用人などの無過失を立証しただけでは免責されず、たとえば類焼などの出来事で、通常の注意では防止しえなかった事件によることを立証しなければ、責任を免れないと解されています。
また、客が特に寄託しない物品でも、場屋の主人は自己または使用人の不注意による滅失、毀損について責任を負いますが、この場合は、被害にあった客が旅館の使用人などの不注意を立証する責任を負います。
なお、「貴重品は預けてくださらないと責任を負いません」というような表示が、一般になされていますが、このように一方的に告示しても場屋の主人は責任を免れることはできない、と明らかに法律上の責任が認められていますので、旅館などで特に預けなくても、部屋に置いた衣類や金銭、鞄、カメラなどが盗難紛失した場合は、女中などの不注意とその損害の立証がつく限り賠償してもらえるわけです。
ただし、貨幣、有価証券その他の高価品については、客がその種類、価額を明告して寄託したのでなければ、場屋の主人は損害賠償の責任を負わないと定められていますから、たとえ貴重品袋に入れて預けても、はっきりとその中身を告げなかった場合には、損害を賠償してもらえないことになります。また、貨幣など、双方が確認して預け、預かった場合には、主人に責任を問えるとしても、ただ金何万円在中と告げただけでは、滅失の場合にその金額の賠償をしてもらえるわけではなく、そのためには損害の立証が必要でしょうから、貴重品袋自体が火災で滅失したり、旅館の使用人に持逃げされたりしたら、その賠償請求はかなり面倒になると思います。
なお、場屋の主人の責任は、悪意のない限り、客が物の返還を受けまたは携帯品を持ち去った後、一年の時効にかかります。
運送人についても商法上責任が重くされており、自己または使用人が注意を怠らなかったことを証明するのでなければ、滅失、毀損につき免責されません。しかし、貨幣や高価品の運送委託については、種類、価額が明告されないと賠償の責任を負わないことは、場屋の主人の場合と同様です。また、運送人の賠償責任には一年の時効があり、故意以外の過失責任については、免責の約束や損害賠償額を制限する約束をすることができます。

お金を借りる!

婚約を実行しない相手に責任をとらせたい/ 内縁の妻と労災保険、損害賠償/ 夫がした借金に妻も責任を持つか/ 別居中の夫に生活費を請求したい/ 離婚の際の親権者/ 財産分与、慰謝料の請求/ 離婚のときの取り決めが実行されない/ 結婚していない女性との間に生まれた子/ 弟の子を養子にする手続き/ 誰が親の扶養をするか/ 内縁の妻や再婚の妻の相続権/ 死亡退職金、遺族年金、生命保険金も相続財産か/ 親の借金や保証も相続するか/ 遺産分割の方法/ 遺産相続の際の扶養料の扱い/ 遺言書の作り方/ 自動車事故にあった場合にどこに相談すればよいか/ 賠償の対象となる損害の種類/ 示談後の後遺症と追加賠償請求/ 加害者が不誠実なので調停申立したい/ 被害者が直接、保険金を受けるには/ ひき逃げ事故での被害者の救済/ 業務中の事故はどの保険で請求するか/ 化学工場の悪臭/ 建設工事の騒音や振動/ 隣りの建物による通風や日照妨害/ 地主が私道に車庫を建てた/ 類焼による損害を火元に弁償してもらえるか/ 預けた品物が紛失破損した場合の業者の責任/ 公営の保育園等で子供がケガをした場合/ 子供の喧嘩でケガをしたり、犬に噛まれた場合/ 盗まれた盗品が見つかった場合/