建設工事の騒音や振動

騒音により生活の平静をみだされる被害は、騒音公害として、ずっと以前から問題となっており、地下鉄建設工事の騒音、振動については、東京都が訴えられて、被害者たる世帯主とその妻、母、幼児、乳児に慰謝料を支払うことを命ぜられたことかあります。しかし、騒音、振動による近隣者の不快や健康障害、地価の下落など精神上、経済上の損害について、どのように救済を求めるべきかは、実際上なかなかむずかしい問題です。
公害対策基本法を根拠として判定された騒音規判決は、工場、事業場における事業活動や建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行ない、生活環境の保全と国民の健康保護をはかることをその目的としています。そして同法は、都道府県や市町村が一定の地域を指定し、その地域内の特定工場や事業場で発生する騒音や飲食店営業の深夜騒音、拡声器放送などの騒音を条例で規制しうるものとしており、都道府県や市町村の条例は、地域の事情に応じて、一定の時間には何ホン以上の騒音を出してはならないと規定しています。その基準をこえて騒音を出す者には罰則の適用があります。
したがって、近隣の建設工事などによる騒音の被害者は、都道府県や市町村の公害を扱う部局へ事情を訴えて、その騒音の発生源たる事業者が規制基準を守っているかどうかを調べてもらい、また、基準を守るように行政措置を要求するのがよいと思います。
その他、直接にその発生源たる事業者に騒音、振動を防止するように申し入れ、苦痛を癒すにたる賠償を支払うよう交渉し、満足する結果が得られない場合には、都道府県の公害審査会に対して、和解の仲介、調停または仲裁の申請をすることができます。

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和解や調停が不成立の場合、または成立しても任意に履行しないときは執行力はないので、民事調停を申し立て、あるいは訴えを提起して裁判所の判決を仰ぐほかないわけですが、さて裁判となって、どんな場合にどんな救済が与えられるかは具体的事情に従って異なり、一概にはいえませんけれども、従来の判例の理論などからうかがえるだいたいの判断の基準をあげると、次のようになります。
騒音の程度がその地域における受忍限度をこえるものであること。行政上の規制基準があれば受忍限度の一応のめやすとなりますが、規制基準をこえないから当然免責ということにはなりません。
騒音発生源たる事業が公益的なものかどうか。公益性の大きなものほど、市民の忍容義務も大きくなると考えられます。
障害が財全的な損失である場合よりも、生命、身体の安全、健康に有害である場合の方が、保護される可能性が増してくると考えるべきです。
被害者が特別に感受性が強いとか、病弱であるとか、通常人に比して平素から不平、不満型の人柄であるとかいうことは、必ずしも救済を否定することにはなりません。人権尊重、生存権の主張は大いになされるべきで、それによって、すべての国民が健康で文化的な生活を営む権利を有するとの憲法二五条の精神が実現に少しでも近づくことになりましょう。しかし、平均人より見て異常と思われるような請求は、裁判所もこれを認めるのに消極的になるのではなかろうかと思います。
すでに居住しているところへ後から事業が入ってきて被害を与えた場合と、騒音、振動の害のあることを承知で入居してきた場合とでは、多少救済の認否に 差異を生じます。
加害事業における防害設備への努力、現在の技術上の防止方法の存否も考慮されます。
救済の方法としては、精神上、経済上の損害を賠償するのが原則ですが、その騒音発生を防止する措置を講じさせたり、工事を一時差し止めたり、その施設、工場などを廃止させることも場合によってはできます。しかし、それを命ずるか否かは、双方の利害を比較考量して判断される困難な問題です。

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