被害者が直接、保険金を受けるには

被害者が直接、自賠責保険の請求をしたいときはどうしたらよいのでしょうか。
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険の略。強制保険ともいいます)は、保険会社と保険契約者(または被保険者)との関係ですから、加害者が請求するのが本則です。すなわち、被害者との示談によって、加害者が被害者に損害賠償金を支払ったときに、その限度で保険会社に加害者が請求することになるわけです。ところが、加害者だけしか強制保険金を請求できないことにしますと、示談がまとまらなかったり、加害者が話合いに応じないような場合、金のない被害者はたいそう困りますし、それにつけ込もうとする悪質な加害者の出現も考えられますので、法は、被害者をすみやかに保護、救済するため、いわゆる被害者請求を認めています。
請求の方法は、次の書類を損害保険会社へ提出すればよいわけです。
(1) 損害賠償支払請求書 保険会社にあります。
(2) 事故証明書 保険会社備付けの用紙に書き、警察署で証明してもらいます。
(3) 事故発生状況報告書 保険会社にある用紙に事故現場の見取図などを書きます。場合により、現場目撃人に書いてもらいます。
(4) 診断書または死亡診断書(死体検案書)被害者のかかった医師に書いてもらいます。後遺症の有無、その等級などに注意してください。
(5) 印鑑証明書 市町村役場で発行してくれます。登録をしていない人は印鑑を持参して登録すれば、すぐにもらえます。他人に委任状を渡して交渉をまかせたときには、委任状にも、本人の印鑑証明書が必要です。
(6) 除籍謄本死亡のときだけ。本籍地の役場で交付してくれます。
(7) 治療費関係明細書 例えば、応急手当費、入院費、手術費、通院交通費などの明細書および領収書など。死亡のときは応急護送費や葬式費用の明細書、領収書。
こうした書類が不備だったり記載が違っていたりしますと、何度も行かなければなりませんから、あらかじめ保険会社の窓口で十分教えてもらうことが大切です。なお、(1)に記載しなければならない事項のうち、「証明書番号」、「自動車の種類・番号」は加害者に聞くわけですが、教えてくれなければ、警察書や運輸省自動車課または陸運局へ行けばわかります。
被害者請求の際に注意しなければならないのは、医師の精密な診断をうけ症状その他いっさいのことを正確に記載してもらうこと、治療に関して要した出費については、そのつど必ず領収書をもらっておくこと、損害が大きくて保険金額ではカバーできないときは、損害金何百万円の一部として請求する旨を明記しておくこと、査定額をよく調べ、不満なら納得いくまで保険会社と交渉すること、などですが、すでに加害者から賠償金をもらっているのに保険会社からも支払いを受けますと、時によっては詐欺罪に問われることをつけ加えておきます。

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被害者請求は、加害者請求とは違い示談の成立したことを必要としませんから、比較的容易にできます。しかし、そうはいっても、いろいろな書類を揃えなければなりませんし、査定にもかなり日時がかかりますので、被害者の中には、治療費、葬銭費はおろか生活費にも事欠く人がでてきます。そこで、仮渡金制度が設けられ、気の毒な困窮者に対して、とりあえず事故の責任がどうかなどをいっさい問わないこととし、一定額の金銭を手早く仮渡しできるように便宜をはかったわけです。保険会社にも、被害者から仮渡金支払いの請求があったときは、すぐに金を払う義務がありますから、時間はほとんどかからない、といえます。
仮渡金を請求する方法も簡単で、次の書類を保険会社に提出すればよいことになっています。
(1) 仮渡金支払請求書 保険会社にあります。
(2) 事故証明書 用紙を保険会社でもらって、事故を取り扱った警察署で証明してもらいます。
(3) 診断書 死亡のときは、死亡診断書または死体検案書と、市町村役揚が交付する除籍謄本が必要です。
(4) 委任状 他人にまかせる場合は、被害者と委任される人の双方の印鑑証明書がいります。
(5) 戸籍謄本 被害者に代わって、親や子、または妻や夫が請求する場合に必要です。
念のためにいいますと、気心の知れない他人に軽はずみに依頼しないことです。頼まれた人が示談屋だったり、なかばそれを商売にしている人だったりしますと、高い手数料をとられたり、ひどいのになると、受け取った保険金を渡してくれないこともありますので、十分注意してください。また、一時の金欲しさに負けて、非常に不利な条件で示談することのないよう、仮渡金の制度をフルに利用するようおすすめします。いったん示談が成立しますと、よほどの事情がないかぎり、これをひっくり返すことはむずかしいのですから、くれぐれも慎重に話し合ってください。

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