内縁の妻や再婚の妻の相続権

内縁の妻には、相続権がないといってよいと思います。盛大な結婚式を挙げ、親戚や友人に披露をして社会的には立派な夫婦であっても、婚姻届をして受理されるまでは法律上の夫婦になれないのが、法律婚主義をとる民法の婚姻制度ですから、届出(いわゆる入籍)するまでは内縁関係といって、内縁の夫婦は互いに配偶者としての相続権が認められないのです。それで、夫が死亡したときに法律上の相続権をもつ者が一人でもあると、その者がたとえば兄の孫で、被相続人(死者)の顔を全然見たこともなく、相続をすることなど思いもよらなかったような場合でも、その者が相続することになり、その者が相続を放棄し、あるいは相続分を譲らないかぎり、夫と永いこと同棲しいろいろと世話をした妻でも内縁の妻にはなんらの相続権もなく、大変気の毒なことになります。このような場合、通常は、調停の申立てをして法定相続人に相続財産の一部を譲与するように懇請し、家庭裁判所も、情誼上、そうするよう説得するのですが、どうしても応じなければ仕方がありません。裁判で財産の一部を取得しようとするなら、夫の名において夫がもつ財産の中に、内縁の妻の多年の協力による持分が含まれていると解し、不当利得を理由とでもして、この持分の返 還請求の訴えを提起するほかないと思います。

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さしあたり法定相続人がまったくない場合にも、非嫡出子がどこからか出てくるかもしれないし、遺贈を受けている人があるかもしれませんので、相続人をさがす手続、すなわち相続人不存在手続をとり、彼相続人の債権者や受選者に、二ヵ月以上の期間を定めて請求の中申出を促す公告をします。その後、六ヵ月以上の期間を定めて相続人に権利主張を促す公告をし、なお誰も出て来なければ、内縁の妻は被相続人と生計を同じくした者、療養看護に努めた者、その他いわゆる特別縁故者として、相続財産分与の請求を家庭裁判所へすることができ、裁判所は債権者や受選者に清算した後、残存する財産の全部または一部を与えることができます。
また、被相続人の借家に同居していた内縁の妻は、事実上夫婦と同様の関係にあった同居者として、黙っていれば賃借人の権利義務を承継しますので、明け渡す必要はなく借り続けることができます。しかし、夫が死亡したのだから他の家へ移りたいと思うときは、死亡を知ったときから一月内に借り続けない旨を通知すれば、賃料支払義務を免れることができます。
再婚の妻の相続権が問題になるのは、失の死亡後に再婚し、その夫にもまた死別した場合でしょう。このような妻にも相続権があるのか、という疑問は、夫が死んでその財産を半分相続しているのだから、再婚の夫の死亡に際し、また相続するというのは、妻が二重に利益を得て不当ではないかとか、再婚の夫には前婚の子があって、その子らが父の相続を期待していたのに、後妻が来たためその半分を相続されると、子どもたちの期待が裏切られることになって不当ではないか、という考え方を根底にして生じてくるものかと推測されます。しかし、再婚して正式に婚姻届をするならば、再婚妻であることはなんら法律上の相続権には影響しませんので、何度も夫に死別する女性は、そのつど相続財産を得て裕福になるかもしれませんが、夫に死別という不幸な身の上ですから、その償いとして認められると思います。
だいたい、妻が夫の遺産の半分につき所有権を取得するという制度がよいかどうかは、立法論として多少問題があります。妻は夫の死亡によって路順に迷うことがないように、子が相続した財産の上に用益権 をもって生活を保障されることで足りるのではないか、再婚すればその用益権を失い、再婚の夫が死亡すれば、またその夫の子が相続した財産の上に用益権をもつ、という制度でもよいのではないでしょうか。妻が半分の相続財産をもって他の男と再婚し、夫より先に死ぬと、その財産の半分が再婚の夫へ相続される、ということに批判のあることが考えられます。

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