二重差押えの禁止

同一の債務者に対してすでに弁済期限の過ぎたニロの債権をもっており、うち一口については公正証書もあるのですが、当方が法律的な手段をとるのをためらっているうちに、他の債権者が債務者の財産を差し押えてしまいました。すでに差し押えられている物を二重に差し押えることは許されないと聞いているのですが、債務者には他にめぼしい財産心なく、現に差し押えられている財産から平等に弁済を受ける方法がなにかないのでしょうか。公正証書を作ってない方の債権についても、この機会に弁済を得ておきたいのですがどうなのでしょうか。
有休動産、不動産に対して、すでに差押えがある以上、重ねて差押えをすることは許されません。これは、同一債務者の有休動産の競売および同一不動産の競売は、同じ執行機関に併合して統一的にやらせた方が、能率的であり、また執行費用の増大を防止できるとの考えからです。
そこで債権者の申立てにより重ねて差押えをしなければならない場合、有休動産については執行官が照査手続を、不動産については執行裁判所が記録添付の手続をします。

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金銭執行の申立てをうけた執行官は、すでに有休動産に対する差押えが行なわれていると、この差押調書の閲覧を求め、これと差押物件とを照合して、まだ差し押えていない有休動産があれば、これを追加的に差し押えて差押調書を作成し、さきに差押えをした執行官に交付し、執行の申立をした債権者のためにも、競売に付すべきことを求めます。また他に差押物が見当たらないときは、たんにその旨を記載した調書を作成し、さきに差押えをした執行官に交付のうえ、申立てをした債権者のために配当を要求しておきます。この手続を照査といいます。
本問の場合、公正証書の分については、配当要求もできますが、債務者に未差押えの有休動産がまだ残っているかも知れませんから、執行文の付与をうけ、執行官へ執行申立てをしてください。執行官は未差押えの有休動産があれば、差押えをして照査手続をします。照査によって配当要求の効力が生じますので、差し押えた 有休動産を競売した売得金から弁済を受けられるわけです。
公正証書を作っていない方の債権はどうでしょうか。すでに弁済期限もすぎているということですから、差押えをしている執行官に対して、その債権にもとづき配当要求をすることができます。この配当要求は、その債権の成立原因を明らかにし、執行裁判所の所在地に住居、事務所を有しない場合には、仮住所を届け出てします。執行官は、配当要求があれば、配当にあずかる他の債権者および債務者に通知します。本問の公正証書を作成していない分の債権にもとづいて配当要求をした場合、債務者は、配当要求の通知を受けてから三日以内に、この債権を認諾するかどうかを執行官に申し立てることとなります。もし債務者が認諾しないと申し立てたときは、執行官はその旨を債権者に通知し、債権者はその通知受領後三日以内に債務者に対して訴えを起こさなければなりません。もし訴えを起こさないと、配当から除斥されます。訴えを起こせば配当要求を維持でき、競売がなされると、その売得金より配当額は債務名義を得るまで供託されます。
債務者が認否の期間内に何ら申し出もしないときは、配当の関係で、その債権者は、執行正本を有するのと同様に扱われ、その債権額に応じた配当を平等に受けることができます。
以上述べた配当要求は、執行官の執行着手後競売期日の終わりに至るまですることができます。
執行官が差し押えた金銭や競売による売掛金が、配当にあずかる各債権者を満足させるに足れば、問題はありませんが、不足する揚合は、まず債権者間の協議で配当し、協議が成立しなければ、執行官は、その金銭を供託して、執行裁判所の手で配当手続をすすめるようにします。
本問の揚合、もし債権の弁済期限が未到来であれば、配当要求をすることはできません。かといって傍観していれば、配当要求の時期を失することとなりますので、ただちに仮差押えをする必要があります。この仮差押執行にあたり、執行官は、すでに差押えずみの物件については、照査の手続きをします。
また逆に仮差押えされた物件に対して差押えをすることは差し支えありません。仮差押執行は原則として目的物の換価まではしないからです。この場合、競売の売得金より仮差押債権者へ配当すべき額は、執行官が供託することとなります。

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