差押するときは動産と不動産のどちらがよいか

 Yさんはある人に貸したお金がこげついてしまっています。そこで強制執行にかけようと思いますが、差押えにはどんなものを選べばよいのでしょうか。動産か、不動産か、どっちがいいでしょうか。
 結論からいうと、動産をえらんだ方がいいということになります。その方が金にかえるには手っとり早いからです。差押えたものはすべて競売にかけて金にかえることになっているのだから、お金に早くかえられる動産がいいのです。もちろん強制執行をおこなうときに動産を選ぶかそれとも不動産を選ぶかは、まったく債権者であるYさんの自由です。
 なお、強制執行は、貸主が直接にやるのではなく執行吏がこれをおこなうものであることを知っておきましょう。

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 時間的にも早く確実にお金にかえられるものは動産で、強制執行をはじめてから十日前後で現金を受けとることができます。
 これが不動産の場合では、競売して執行が完了するまでに三ヵ月から六ヵ月ぐらいかかるのです。
 動産を差押えるとき、動産と一口にいっても、衣類あり、機械あり、器具、椅子、机、家財道具、自動車といったものから公社債などいろいろありますが、こうした動産についての差押えをかけるときは、そのすべてを執行吏にやってもらうことになります。
 執行吏にたのむときはどうするかというと、執行吏のいる各都道府県の地方裁判所またはその支部へ行って、執行文の付記してある正本判決確定証明書または債務名義を債務者に送ったことを証明する送達証明書などを差押えを委任する証書につけて提出することになっているのです。
 差押えの仕方はどのようにするかというと、債権者と差押えをする執行吏は約束した時間に、相手方の動産のある場所に行って、債権額つまり貸主が貸した元本および利息の合計額に達するまで相手方の動産を、法の禁止する物件をのぞいて差押えをします。
 債権者は、原則としてその差押えに立ち合わなければならないことになっていますが、特別の事情があって立ち合えない場合は、立ち合いなしで差押えることになります。
 差押えの執行吏は、差押えをしたときは、その旨を債務者に告げる。
 執行吏は、そのものを占有して差押え、差押えた物件は執行吏がこれを保管することになりますが、債権者のゆるしがあったとき、または差押えた物件を選ぶことがむずかしいときは、その差押えた物件を債務者に保管してもらうこともあります。
 差押えした物件には執行吏が封印票を貼りつけ、それに差押の押印をします。
 その他にも、差押えをした物であることをハッキリとさせるために、その建物のなかの適当な目立つ場所に公示書を貼り、差押えの内容を第三者に知らせることによって、一般取引きの安全にも役立てます。
 また執行吏は差押えをするときは、差押え調書をつくります。
 なお差押えを受けた人の立場からいえば、差押え物件を保管する場合、これをふつうの用法にしたがって使うことはできますが、持ちだしたり、売ったりすることはゆるされません。また封印や標示をやぶったときは、所定の懲役または罰金に処せられることになっています。

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