農地を抵当にとるときには

 一般に農地を売買したり、質に入れたりするときは都道府県知事の許可をあらかじめ得なければならないことになっていますが、単に農地を抵当権の対象とする場合なら都道府県知事の許可を得る必要はなく、抵当物件として抵うことができるのです。
 しかし、借主が約束の期限までに返済できず、その農地を競売することになったとしたらどうなるのでしょうか。
 その場合は、だれでもがその農地の競落人となれるものではありません。ということはその場合は都道府県知事の発行する「競売適格証明書」をもっている人だけが競売に参加し、競落人になることができるからです。したがって抵当権者がその土地を競落して自分のものにしたいと思うなら、前もってその農地の所在地を管轄している農業委員会を遥じて都道府県知事の「競売適格証明書」をもらっておく必要があります。
 競落人の資格を得て競落した場合、その農地が借主の自分の土地であったときは耕作権も競落人のものになりますが、もし小作地の場合だとその農地を競落しても小作料をとるしかないことになります。
 またその農地を住宅地にしたいという場合はどうかというと、自分勝手なことができるものではありません。この場合も都道府県知事に地目変更の許可を得てからでなければならないのです。
 またその場合かならずしも申請がみとめられるというものではありません。
 以上が農地を抵当にとるときの心得です。

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 Mさんは不動産を担保にして五百万円かしてくれとある人からいわれていますが、こんな場合、どのようなことに注意したらいいのでしょうか。
 不動産とは土地や建物のことですが、それを担保にとるときは、動産担保とちがっていることを心得なければなりません。
 不動産はそのまま借主のところにとどまることになります。そこでまず調査が必要です。その土地や建物が真実その人のものであるかどうかを徹底的にしらべることです。
 まず第一に登記所に行き、登記簿の閲覧の申請をしてよく台帳をしらべます。
 つぎに実地調査をしてみます。それには自分の目でしっかりとたしかめておくことです。というのは、たとえば空地だと思っていたら家が建っていたり、借主の自宅だと思っていたら借家だったりすると、借主の建物で返金できないことになり、Mさんの土地になったとしても地代や家賃などしかとれないことになります。したがって、担保価値としてはぐんと安くなってしまうからです。
 また、土地の場合はその地代はいくらか、将来性はどうか、収穫はどのくらいで、立木はどのくらいのものかなどもよくしらべておきます。こうすれば万一のときはそれを売って、うめ合わせもできるというものです。
 家屋を抵当にとるときは現在住んでいる建物についての調査を十分にしたうえで、火災保険を かけさせておくことです。つまりその証言に権利質権を設定して、もしその家が焼けたときは保険金を全額うけとるようにしておくのです。
 不動産、つまり土地や家屋を担保とするときはかならず不動産の登記をすることが大切です。そうしておかないと借主がほかの人に売ったり、抵当に入れたりすることは十分にあり得る からです。
 金をわたすのは抵当権設定の登記と引きかえにすること。それ以前ではいけません。
 抵当物件はかならずしも本人所有のものでなく、第三者のものでもかまいませんが、その場合は第三者が自分のもっている不動産を担保に提供して債権を担保にしたことになります。
 利息の約束は登記によってすること。この利息の約束を登記したときは、抵当権の効力は最後の二年分の利息におよぶのです。これを怠っていると他の債権者や後順位の抵当権者に対抗することができなくなってしまうから注意しましょう。

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