抵当物権は自由に処分してもよいか

 ある人にお金を貸していますが、それが返されなかったとき、抵当に入っている物件を勝手に処分していいかどうか、と考えているのですが、できるのでしょうか。
 この場合は要するに抵当を流すということについてでしょうが、質権の場合は、債務者(借主)が一方的な損害をこうむってはいけないというところから、流質契約は禁じられていますが、抵当権の場合ではそうした制限はありません。
 したがって、借主が金を返さないときは、貸主は借主の提供している抵当物件を自由に処分してもかまわないのです。
 とはいっても、借主が担保としている抵当物件を競売にかけて売った代金を貸した分に充当するか、あるいはまた所有権を貸主に移転するかについては、契約のときにきめておかなければなりません。
 普通一般には借主が金を返さないときには、競売によって貸金をとり返すという方法がいちばん簡単なように思われていますが、実はそうでもないのです。
 なぜなら、競売はそれが実行されるまでは早くて三ヵ月から六ヵ月ぐらいかかるのが常だからで、それに競売にかけると、契約当時に評価した値段ではなかなか売れないものだからです。
 そこで競売にかけるよりも、抵当物件を貸主の所有に移転してから、貸主の方で適当な時期に売りさばく方が得ということになるわけです。

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 ある抵当をとって金を貸しましたが、もしその抵当物件に危害をあたえられたとか、損害をあたえられた場合にはどうしたらいいかのでしょうか。
 どんな抵当物件であっても、それに危害を加えられたときは、そのとりのぞきを請求することができるのです。
 またなんらかの損害をうけたときも直接加害者にたいして損害賠償を求めることができます。
 あるいは、不法に抵当権の実行を妨害されたために当然うくべき債権の完済の望みがなくなったときは、抵当権者(貸主)は競売するまえでも相手方にたいして損害賠償を求めることができることになっています。

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