素人だが貸金をしたい

 小金を持っていますが、銀行に預金していても、利息もたかが知れています。そこでもう少し小口金融をして、金を増やしたいと思っていますが、それにはどうしたらいいのでしょうか。
 このような場合、素人には、あまりすすめられないことです。金融業を職業としている人たちでも貸倒で廃業する場合がめずらしくないというのですから。
 しかしあえていえば、貸すときはその貸したカタとして担保をとっておくことが最も安全な方法です。そして、公正証書にしておきます。
 とはいえ、もし相手方が約束の期限までに返してくれないときは、強制執行の手段に訴えることができますが、この場合いろいろな手数と費用がかさんでくることはいうまでもない。したがって、まずやめた方が、つまり欲を出さないことがいいと考えられます。

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 しかしどうしても、というなら次のような貸金のポイントを押さえましょう。この心得は玄人(いわゆる金融業者)の場合にもあてはまります。

 まず借主の信用状態を調べます。 - 他人のことばを信用してはなりません。どこまでも自分自身で借主を疑うことなく、また信ずることなく冷静な態度で担保になる動産、不動産、個人を十分に調べあげることです。
 借りる身になってください。 - だいたいお金を借りようという人は苦しい境遇にあるわけであるから、どうしたら相手を現在の苦境から救ってやることができるかを考えてやることです。とはいえ調査中に借主と必要以上にうちとけるようなことがあってはなりません。人情にほだされるキケンがあるからです。
 親せきとか知人は避けることです。 - 親せき、知人間の金銭貸借は、利息や担保などについてハッキリきめにくいものであるからタッチしない方が賢明です。あとでカネがカタキになることも往々にあるのですから。
 短期返済と申込みには注意しましょう。 - ちょっとのあいだ貸してくれないか、とか、明日まで貸してくれ、などの話には警戒すること。こういう人たちの中には油断できない人があるからです。
 独身者や間借り人は敬遠しましょう。 - 原則としてですが、独身者あるいは間借り生活をしている人には、貸してはなりません。貸すにしても徹底的に調べあげる必要があります。
 調査中の言動をつつしむことです。 - 借主の状態を現在調査中のときは、ぜったいに軽々しい言動をしないこと。十分に調査をしてしまわないうちに貸してもいいなどといって、つけこまれては身動きができなくなるおそれがあります。つかずはなれずの言動がよいでしょう。
 その日暮らしの人には貸さない。 - たとえ立証な人格者であっても、その日のお金にも困っているような人、その日ぐらしの人には貸してはなりません。金ができなければ支払う能カはないのですから。
 保証人より借主を考える。 - 保証人がしっかりしている人物だからといって、あくまでも借りる本人が生体であるから、借主を主体に考え、調査すること。もっとも保証人がしっかりしているときは、もし借主が返さないときには借主にかわって、保証人にその分を払ってもらうことができるとはいえ、訴訟問題などでこじれたうえに元金がもどればよいくらいでおわってしまいがちだからです。金銭の貸借はどこまでも申し込んできた本人を中心にしてすすめてゆくよう心がけることです。
 決定は慎重に早く。 - 貸付けに気がすすまないときは、はなしを断ることです。ことわるには相手の感情を害しないようにしましょう。
 契約書をとり交わす。 - OKとなったらかならず契約書をとり交わすこと。これはいくら親しい仲でも実行することです。
 貸し急がない。 - 貸主は貸しいそがないことで、好条件でもちこまれる話ほどあぶないものと心得るべきです。一儲けしてやろうと思ってうっかりひっかかることはいくらでもあるのだから。

 本問の場合、とくに素人ととしては好条件にのりやすいといわなければなりません。とにかく貸すにして相手方の身分を十分に調査して、その上で決断すべきです。好条件の話がそんなにコロコロころがっているはずがありません。そんな甘い世の中ではありません。
 最初から借り倒すことを目的としてかかってくる不徳漢、つまりサギ師も多い現実なのだ。極端にいえば貸し倒れを覚悟のうえで、あるいはやってしまう覚悟の上で金銭貸偕にのぞむべきです。欲の皮をつっぱると、とんでもないことになりかねません。

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