権利義務の関係

人の法的な社会経済的生活関係は、権利があり義務を負うという関係で表れます。これを法律関係といいますが、この関係はある原因に基づいて一定の効果が生じるという因果関係があってそうなるのですが、法的にその原因となるものを法律要件といい、その結果となるものを法律効果といいます。例えばAがBに不動産を売る約束をすると、Aについては代金の支払請求権、不動産の引渡や登記協力義務が生じ、Bについては代金の支払義務、不動産の引渡や登記請求権が生じます。ここに不動産の売買契約は法律要件であり、それから生じたAB間の権利義務は法律効果だということになります。この場合の法律効果は、AB間で、一方は権利を取得し他方は権利を失うということになるために、権利の立場からこれを一般的に表現すれば、権利の発生、変更、消滅ということになり、これを総称して権利の変動といいます。つまり、法律関係を権利本位に構成する近代法の下においては、一定の法律要件に基づいて法律効果が生じるという法律構成をとるのであり、これを権利の変動と呼ぶのだと理解できます。権利変動の原因となるのは法律要件ですが、この法律要件を構成するのは、各種の法的評価をうける事実です。この法律要件の要素となる事実を法律事実といいます。
法律事実は、大別して、人の精神作用、意思に基づく行為と、そうでない事件とに分けられます。このうち、人の死亡による相続権の発生、自動車事故による損害賠償請求権の発生のように、人の死亡という事件や無謀運転という不法行為も法律事実、法律要件としての意味を持ち、重要でないことはありませんが、近代的取引社会において重要な意味を持つのは、意思行為、意思表示であり、この意思表示を要素とする法律行為だといえます。権利変動の原因となる法律要件は、一個の法律事実によって構成される場合と、数個の法律事実の複合によって構成される場合とがあります。例えば遺言や同意、追認などは単独の法津事実、意思表示が法律要件となり、契約や社団法人の設立などは数個の法律事実、意思表示の複合が法律要件となっています。

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