金銭貸借とリース契約

ファイナンスリース取引は、リース会社がユーザー、賃貸人の依頼により購入した物件を貨借人との間のリース契杓に基づき賃借人に一定期間使用取益権を付与し、賃借人は、その対価としてリース料を支払うことを基本的内容とする契約です。しかし通常の賃貸借取引とは異なり、賃賃借人が自己の判断により物件の種類、規格、性能、納期、価格等物件の購入に関する一切の案件を選定します。物件の購入のための必要な資金は自己の負担において調達するのでなく賃貸人に物件の購入を依頼し、賃貸人の計算において購入された物件がリース取引の対象とされます。したがって、この取引は、賃借人にとって金融手段の一つの変型としての、いわゆる物融が行われるのです。

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リース契約の内容は、リース取引のもつ特殊性から一般の賃貸借契約と異なった条件を包含しており、契約の法的性格については、大別して無名契約説と待殊な賃貸借契約説に分けられます。
無名契約説では、リース契約の内容が法律の定める賃貸借に関する規定、賃貸借の一般取引慣行における条件等と著しく相違したものをその墓本的内容としており、これがため通常の賃貸借契約の本質的変更をもたらすものであることをその理由としています。
特殊な賃貸借契約説では、リース契約においては、民法における賃貸借の規定の大半が排除されているものの、賃貸人は、賃借人に対し物件の使用収益権を付与し、賃借人は、賃貸人に使用の対値を支払うことを約していること、また賃貸人は、賃借人が目的とする使用収益が確保される状態において物件を引き渡す義務を負担していること等から、リース契約が民法の定める賃貸借の要素を少なからず含んでいることを理由としています。
このように、現在のところ定説をみるにいたっていませんが、リース契約が諾成、双務、有償契約であることを基本とし、民法の定める賃貸借の基本的な性格を有していること、また約定の内容も民法の賃貸借の規定の多くを排除してはいるものの、積極的に非典型契約化するための要素を包含していないこと、さらには現在使用されている契約書にもニュアンスの相違があり統一的でない点があり、特殊な約款としての画一的な法的性格を認めるには無理があること等から賃貸借契約の一種と考えてもよいと思われます。
リース契約の前提となる取引の本質が、賃貸人は、賃借人の依頼により購入した物件を賃借人に長期間に渡り賃貸し、賃貸期間中に物件の購入代金の全部または大部分をリース料として回取することを基本とし、使用期間の経過により賃借人の支払債務が発生する通常の賃貸借とは軌を異にすること、また、賃貸人は、単に資金供与の変型としての与信行為を行なうのみで、物件についての専門的知識を有せず、賃貸人が物件の保守管理責任を負うことには無理があることなどからリース契約においては、賃借人の中途解約禁止、賃貸人の担保責任、修繕嚢務、危検負担等の免責、契約解除に伴う規定損害金の支払等、通常の賃貸借契約と異なった条件が含まれています。
リース契約においては、賃借人からのリース期間中における解約は、禁止されています。双務契約においては、期間の定めは当事者双方のためにあり、解約権を留保していないかぎり当事者の一方からの中途解約は認められないとする考えは、学説、判例ともに認めており、また民法六一八条も同趣旨であり、この条項の有効性については、特に間題はありません。
通常の賃貸借においては、賃貸人は暇疵担保責任、修繕義務を負担することが定められています。しかしリース契約においては、賃貸人は賃借人に対しリース物件を何等暇疵なきものとして引渡した後は、いかなる事由による場合でもこれらの義務を負担することなく、物件に関する一切の保守管理義務を賃借人に課し、賃貸人は、単に売主に対して有する権利を賃借人に譲渡し、賃借人の売主に対する権利行使に際し賃貸人は協力することが定められているだけです。この賃貸人の免責案項については一般的には信義則に反しないかぎり有効であり、リース契約においても前述の賃貸人の地位、賃借人保護の規定等を考えれば合理性があるといえます。近年の判例でも、この条項の有効性を全面的に認めています。
リース契約においては、物件が賃借人の責めに帰すべからざる事由により滅失、毀損し、賃借人が当初の目的を達成することができない状態に至った場合でも、賃借人は、リース契約に定める債務を履行しなければならないことが定められています。この場合に賃借人は、賃貸人の一定の算式により計算された規定損失金または規定損害金を支払うこととされ、この支払をもってリース契約は終了するものとされています。
リース契約においては、賃貸人は、賃借人に一定の責めに帰すべき事由が発生した場合は、契約を即時に解除し得る権利を留保しています。そこで賃貸人が契約上の正当な事由により契約を解除した場合は、賃借人は、自己の負担において物件の返還義務を負うとともに、残リース料相当額を規定損害金として支払わなければならないことが定められています。この規定は、賃賃人の逸失利益の損害賠償として当然のことと是認されます。賃借人においても、残リース料の即時弁済と物件の返還義務を履行すれば、賃貸人の権利を害することがないので、期間中途において契約を解除することがでぎると考えられます。
前述のとおり、リース取引は賃借人の都合により実質売買関係にある賃借人と売主との間に、リース会社を介在せしめ、賃借人の設備調達に係る資金面の負担を軽滅せしめることをその本質としています。このようにリース会社は、賃借人に対し一定期間与信を供与し、与信期間内に自己の債権の回収をはかるという、金融機関における貸付業務と類似の役割を果たしています。このためリース契約書においても期限の利益喪失条項、契約解除の制限条項等金銭貸借契約書と同趣旨の内容が包含されています。

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