割賦販売での金銭貸借

割賦販売とは、ある商品の売買代金を分割して、定期的に支払うことを約束した売買をいい、毎月一定期日に一定金額ずつ支払う月賦の形式が多くなっています。割賦販売は種々の観点から分類することが可能ですが、目的物をいつ引渡すかを基準にすると、次の三つ分けられます。
先渡方式 初回金の支払と引き換えに商品を売主から買主に引き渡し、それから分割払がはじまります。
中間渡し方式 分割払が途中まで進んだところで商品を引き渡し、買主はその後も支払を続行します。
後渡し方式 買主が分割払を完了した時に、売主が商品を引き渡します。

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現在最も普通に行なわれている形態は先渡方式であり、消費者の希望にもかないます。後渡し方式は、支払額の累計は現金買いより当然安くなるものの、買主にとって魅力に乏しいため、一部の商品を除きほとんど行なわれていません。中間渡し方式は両者の中間に位しますが、これも例は少ないようです。
前記の類型のうち後渡し方式は、買主が先行的に売主に代金を供するので、売主は割賦販売の資金を必要としないのに対し、先渡方式は商品の売却から代金の回収完了までの期間だけ、現金取引より余分に売主に資金負担がかかります。この資金を調達する方法として、金銭貸借の間題が生じます。
まず、売主が資金にあてるために銀行から融資を受けることが考えられます。しかし、これはたしかに割賦販売を採り入れたことによる運転資金の需要増加には違いありませんが、特に割賦販売における金銭貸借という別種のものとして論じる必要はありません。あえて特色をあげるとするならば、売主の買主に対する代金債権が担保になりやすいという点ぐらいです。
次に、買主が独自に自己の取引銀行から、定期預金なり手持ちの有価証券なりを担保に融資を受け、売主に商品の代金を支払ったうえ、銀行に対して分割返済することが考えられます。しかしながら、この場合の信用はもっぱら買主についてのみ判断され、売主に対する代金支払は買主から一括してなされ、銀行に対する返済が分割というだけであるために、割賦販売との関連はありません。非提携ローンとよばれることもあります。
第三に、売主の斡旋および債務保証のもとに買主が銀行から融資を受ける方法があります。いわゆる提携ローンとよばれるもので、融資する金融機関は売主の取引銀行であり、割賦販売に伴う金銭貸借の特徴を最も強く出す類型といえます。
提携ローンは、銀行と販売会社とが提携し、販売会社の選定した買主に対し、耐久消費財等の購入資金を融資する制度です。金を借りるのは買主であり、売主は代金全額を最初に受領するので、その点では非提携ローンと変らず、厳密な意味での割賦販売には該当しないはずですが、以下に述べるような特色をもつため、割賦販売の一形態として扱うのが便宜です。
割賦販売法二条二項は、この法律においてローン提携販売とは、指定商品の代金の全部又は一部に充てるための金銭の借入れで、二月以上の期間にわたり、かつ三回以上に分割して返還することを条件とするものに係る購入者の債務の保証をして当該措定商品を販売することをいうと定めています。ここにいうローン提携販売はまさに提携ローンを利用した販売の典型を示すものである。しかしこれはあくまで割賦販売法の適用範囲を明らかにする目的で規定した定義であり、金融との関連で考察するときは、この定義にこだわらず、もっと広く解してもかまいません。ただ、本法の中に規定があること自体、提携ローンが実質的に割賦販売と同じ利用目的を持つことを物語るものといえます。
販売会社は銀行と提携するにあたり、銀行に対して包括的な保証契約を結びます。買主が販売店で商品購入、資金借入の申込書に所要事項を記入して提出すると、販売店もしくはその上の代理店または専門の調査機関が所定の基準に従って買主の信用調査を行ないます。そしてこれに合格して銀行に通知があると、融資総枠に達するまでは、銀行はほぼフリーパスで貸付を実行します。銀行では信用調査をしない代わり、もし回収が滞ったら、販売会社が保証債務の履行として、買主に代わって銀行に返済しなければなりません。
法律形式は、銀行が買主に対し購入代金を貸付たのですが、経済的、実質的には、割賦販売で固定化すべき運転資金を販売会社に貸付たのと何じです。買主が毎月銀行に分割返済するもとになった借入金は、通例買主を経由することなく、銀行から販売会社の預金口座に直接振込まれます。よって買主としては、銀行から借金したというよりも、商品を月賦で買い、銀行を通じて支払っていると意識するのが自然です。
販売会社が保証を履行すると、当然に銀行に代位するために、銀行が買主から担保を徴していれば、その担保権を販売会社が承継します。しかし提携ローンにおいて銀行が買主から物的担保を取る例は皆無に近いので、代位による担保権取得はあまり期待できません。そこで販売会社は、将来現実化するかもしれない求償権を被担保債権として、買主から直接担保を徴します。この場合に用いられるのは、一般の割賦販売におけると同様、販売した商品の所有権留保が圧倒的に多くなっています。

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