保全執行の申立て

保全処分の執行を申し立てるには、どのような方法によるべきなのでしょうか。保全処分命令の執行は、その保全処分命令の内容によって、執行官がその執行を担当する場合と裁判所がその執行を担当する場合とがあります。そして、保全処分命令の申立ては、執行官が執行を担当する場合には執行官に対して、裁判析が執行を担当する場合には裁判所に対してこれを行なうことになります。ただし裁判所が執行を担当する場合は、保全処分裁判所が執行裁判所となることから、実務上は、目的財産を掲げた保全処分命令申請のなかに同時に執行申立ても含まれているものとして、保全処分申請と別個の執行申立手続を要せず、発令後直ちに執行手続に移るものとされています。したがって実務上、執行の申立ては、保全処分命令の内容が、執行官が執行を担当するものである場合にだけ必要とされ、その場合、執行官に対して執行の申立てを行なうことになるのです。

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執行官が執行にあたるのは、有体動産に対する仮差押えの執行。不動産または動産を債権者に明渡しまたは引き渡す執行、あるいはこれらの物件に対する債務者の占有を解いて保管人の保管に付する執行。代替執行をするに際し、債務者の抵抗を排除するためにする立会い。その他裁判によって執行官が取り扱うべきものとされた事務。不動産または有体動産の保管。仮差押えまたは仮処分にかかる目的物の換価。七三三条の規定による決定にもとづく、いわゆる代替執行。
以上の場合、執行官に対して執行の申し立てを行なうことになります。これに対して裁判所が執行にあたるのは、債権または財産権に対する仮差押え。不動産に対する仮差押え。自動車、建設機械ならびに航空機に対する仮差押え。不動産の処分を禁じる仮処分債権の処分を禁じる仮処分。自動車、建設機械ならびに航空機の処分を禁じる仮処分。民訴法七三三条、民法四一四条二項の規定による代替執行の決定をすること。民訴法七三三条、民法四一四条三項の規定による執行命令の決定をすること。七三四条の視定によるいわゆる間接強制の決定をすること。以上です。
裁判所が執行を担当する場合には、実務上保全処分申請と別個の申立てを要しないので、以下には、執行官に対する申立ての方式について説明します。執行官に対する執行の申立ては、理論的には書面または口頭で行なうことができることになっていますが、実務上は執行申立書によってこれを行なっています。
執行申立書には保全裁判の正本を添付することが必要です。保全裁判は告知または言渡し)と同時に執行力を生じ、かつ迅速に執行される必要があるため、裁判の正本には原則として執行文の付記を必要としませんが、保全処分後債権者または債務者に承継があった場合には承継執行文の付記が必要であること不要の文字抹消することは注意を要します。
また保全執行は、債務者に保全処分命令を送達する前でもできるため、執行申立書に債務名義の送達証明書を添付する必要はありません。もちろん確定証明書の添付も不要です。資格証明書の添付も現在のところ要求されていません。執行申立を代理人によって行なう場合執行申立書に委任状を添付しなければなりませんが、代理人が、保全処分申請の訴訟代理人であり、保全処分決定にその氏名の表示のある場合は、委任状を必要としない取扱いとなっています。
執行官に執行を申し立てるには、法定の執行費用を支払わねばならないが、実際の取扱いは、執行申立ての際一定の金額を予納し執行終了後精算することにしています。
保全処分命令の執行は言渡し、または告知があってから一四日の期間を徒過するとこれをなしえないことになっています。期間内にどの程度の執行に関する行為がなされなければならないかについては争いのあるところですが、いずれにせよ保全執行の申立ては少なくとも言渡しまたは告知から一四日以内にしなければならないことになるので注意を要します。

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