債権の発生原因

民法では債権発生の原因となる法律要件として、契約、事務管理、不当利得、不法行為の四つをあげています。契約は当事者の意思に基づくもので、いわゆる約定債権関係を生じるのに対して、事務管理、不当利得、不法行為は当事者の意思にかかわらず法が当然の債権関係を生じるものです。債権発生原因はこれだけではありませんが、これが主要なものであるので、それぞれの一応の内容を把握しておく必要があります。
契約は当事者の意思の合致によって生じる債権関係の最も主要な発生原因であり、民法典では債権編第二章に詳細な現定を設けています。つまり第一節総則には契約の成立、契約の効力、契約の解除の三款を設け、第二節以下には、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇傭、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解の13種の各種契約を定めています。実に200カ条に及ぶ規定がありのす。これらの諸現定は、近代市民社会に多く行われる典型的な契約について解釈の標準を示したにすぎず、もとより公序良俗に反しないかぎり規定以外の内容の契約を締結することも、規定と異なる内容を約定することも自由です。しかし、この民法上の契約も、市民法の社会化につれて、契約自由の絶対性や任意規定性は次第に弱まりつつあります。

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労務契約が民法の雇備理論を離れて労働契約、労働協約化し、労働組合法、労働基準法などの社会法によって規律され、また賃貸借の規定が建物保護法、借地法、借家法、農地法などによって大幅な修正を受けていることは顕著です。これらの事態の認識は、民法上の契約理論を理解するに当って特に大切です。
事務管理は迷子の世話をする場合のように、頼まれないのに他人の事務を管理することであって、そこから法律の規定によって当然に管理の継続とか管理費用の支払いとかの債権、債務が生じる開係です。いわゆる法定債権発生原因であり、民法がこれを契約と別に扱って一章を設けたことは論理的です。立法例には事務管埋を委任のない事務処埋として委任契約と並べて規定するものと、契約によらない債権の発生の章に規定するものとがありますが、日本の民法では、後者の態度にならいました。近代市民社会における経済的、社会的関係がほとんど意思主体の自由活動に期待するものであって、事務管理及びそれから生じる債権債務関係は、契約に比べてそれほど有用な法的手段とはいえません。

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