債権関係の特徴

債権は債務者の財産的給付行為を介して、その行為のもたらす結果から利益を受けるもので、物権のように直接に目的物に支配力を及ぽすものとはだいぶ違います。債権関係は、まず対人的権利義務関係であって、特定の債務者に対してのみ権利を行使できるものであり、物権と違って債務者以外の第三者にその効力を及ぼさないのが原則です。債権には物権のような排他性は認められません。例えばBがAから家屋を買ってその家屋の引渡を請求する債権を有する場合でも、CやDもAからその家屋を買ってその引渡をうける債権を取得することができるのです。BがA からその家屋を買って完全に所有権を取得すれば、もはやCやDはその家屋に所有権を主張できないのとはだいぶ違います。さらに債権は同一物についていくつも成立するので、しがも、その前後を問わず、効力は同じです。これを債権者平等の原則といいます。これは排他性のない債権の特徴的な表れであるといえます。前例において、BがAから引渡をうけてしまえば、もはや結果的にCやDはその家屋の引渡をうけられないために、Aに対する債権は損害賠償請求権に代わり、場合によっては詐欺罪が成立してしまいます。上述のような特質からみて、債権は物権に劣後することは当然と理解しましょう。

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債権関係は債権者と債務者の対立関係であり、その単純な形は1対1の関係です。しかし債権関係は常に必ずしも単数主体であるとはかぎらず、当事者の一方または双方が2人以上である場合もあります。この場合には複数主体の債権関係が成立するのであって、民法が多数当事者の債権関係として規定する、分割債権関係、不可分債権関係、連帯債務関係、保証債務関係がこれになります。
債権の目的たる給付が1つであって、債権者または債務者が数人いる場合では、可分給付、分割して給付できるものを内容とする債権について、各債権者または各債務者は、待約のないかぎり、平等の割合をもって権利を有し義務を負うことになります。例えばAとBが共有していた自動車を、Cに80万円で売却したとすると、その代金債権は、ABそれぞれ40万円ずつ権利を有することになり、反対に、AとBが共同してCから機械を50万円で買ったとすれば、その代金債務につき、ABはCにそれぞれ25万円ずつの支払義務を負うことになります。これを分割債権といい、このようにするのが多数当事者の債権関係の原則的な措置だとされています。
一個の不可分給付、1台の自動車の引渡のように、分割して給付できないか分割すれば価値を著しく減ずるような給付を内容とする債権について、債権者が数人ある場合は、各債権者は単独で総債権者のために、全部の履行を請求したり、全部の履行の受領をすることができます。この場合には分割はできず、分割債権の法埋を適用したのでは不合理、不便であるからです。これを不可分債権といいます。これに対して、一個の不可分給付を目的として数人の債務者があるときは、各債務者は単独で全部の給付をすることができます。これを不可分債務といい、その法律関係は連帯債務の場合と同じ法理に従うことになります。

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