遺言

Aは妻Bと二人の子C、D(非嫡出子)をのこして死亡しました。
Aの死後、机の中からAが書いた遺言書がでてきました。それには、名前のところは「父」とたっており、日附は、年月だけで、日のないものでした。このような遺言は有効でしょうか。
遺言書が封印されている場合に、それを発見したCが開封したら、この遺言書の効力に影響があるでしょうか。
AがEに全財産の五分ノーを与えると遺言した場合、Eはいかなる法的地位にたつでしょうか。
この場合、Eの強迫によってこのような遺言がなされたとしたら、Aは生前どうすればよでしょうか。Aの死後は、相続人がこの事実に気がついたらどうすればよいでしょうか。
AがDに株券のすべてを与える旨の公正証書遺言をしたのち、Dに株券の半分をやり、公正証書正本を焼きました。Dは遺産分割にあたって、株券のすべてをやるという遺言があるから、それは自分のものだと主張しています。正しいのでしょうか。

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遺言書における日附の記載は、遺言者の能力の判定および複数の遺言書があらわれた場合の前後関係確定の基準時をあきらかにするものとして、きわめて重要な意味をもっています。そのため、そもそも日附の記載のない遺言はもちろん年月のみの記載のある遺言も無効だとされています。氏名欄に「父」とだけ記載されているのは、遺言内容から遺言者本人を特定しうるかぎりにおいてこれを有効なものと解することができますが、本問では、日附がないのでいずれにしても遺言無効という結論にかわりはありません。
封印のある遺言書は、家庭裁判所において、相続人またはその代理人の立会いのもとにこれを開封します。しかし、発見者が家庭裁判所外で開封した場合でも、その者にたいして過料の制裁があるだけで、遺言の効力そのものには影響がありません。
遺産の全部または一定割合のみを示してなされる遺贈を包括遺贈といいます。包括受遺者は、相続人と同一の権利、義務を有します。したがって、Eは、遺産の五分ノ一の範囲内において、B、C、Dとともに共同相続の関係に立つことになります。
強迫による遺言は、遺言者において、これを取り消し、または新しい遺言により撤回することができます。さらに、遺言者が前の遺言と抵触する遺言もしくは処分をし、または遺言書そのものを破棄すれば、遺言は撤回したものとみなされます。Aとしてはこのうちいずれか一つをすればよいことになります。ところで、このうち取消権は相続の対象になるため、A死亡後は、相続人たるB、C、Dが取消権の承継人としてAのした遺言を取り消せばよい。もっとも、Aの側で取消や撤回をするまでもなく、強迫者たるEは受遺者としての資格を有しないことに注意する必要があります。
Dに株券の半分をやったこと自体は、遺言に抵触する処分にあたりません。しかし、公正証書正本の焼却によって、遺言書は破棄されたものというべきです。公証人役場に原本が残っていることかありうるが、それが遺言としての効力をもつわけではないからです。

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