相続人

Aには妻Bと三人の子C、D、Eがいます。Aは一年ほど病気した後に死亡しました。
Aは二通の遺言を作成していました。それを見たCが、自分に不利な遺言であることを知り、それを破棄しました。また、もう一通の遺言には、Dは女から女へとふしだらな生活を送り、Dの妻子をかえりみない、これらの行為はAの体面を傷つけるもので、Dについて相続人を廃除する旨記されていました。C、Dの相続権はどうなるでしょうか。
前述の事情のもとで、もし、Cに妻と一人の子Fがいるとしたらどうなるでしょうか。
この事情のもとで、Eが相続を放棄したら、相続人、相続分はどうなるでしょうか。
この事情のもとで、EがAの死亡の前に死亡していて、Eに妻と二人の子G、Hがいるとしたら、相続人、相続分はどうなるでしょうか。

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Cについて相続欠格が、また、Dについては廃除が問題になります。被相続人の遺言書を破棄することは遺言行為に対する違法な干渉行為の典型であり、それによって相続人の取得すべき遺産に直接、間接の変動をきたします。Cの行為は、Aの遺言が方式の不備などのために無効とならない限り、欠格事由となります。この場合、破棄に対する故意のほかに、破棄することによって自己に有利な遺産の帰属をはかろうという意思、故意を必要とするかは問題ですが、そのような意思のない、いねば錯誤に基づく破棄であっても、欠格事由となると解すべきです。次にDの行為ですが、判例は、父母、配偶者、子を捨てて情交関係を継続している場合に、廃除事由としての著しい非行にあたるとしているため、DはAの相続人から廃除されることになります。CもDもAに対する相続権を剥奪されます。
FはCを代襲してAの相続人となります。民法は、欠格の効力を相対なもの、つまり、相続欠格による相続権の剥奪は、欠格者についてのみ発生するものとみて、欠格者の子に代襲相続を認めているからです。
相続放棄は当該相続から離脱する意思表示であり、相続放棄によって、相続人は「初から相続人とならなかった」ことになります。したがってEが相続放棄をすると、子C、Dは相続欠格および廃除によって相続権を失っているから、(Aに直系尊属ないし兄弟姉妹がなければ)Aの遺産はすべて妻Bに承継されます。前述の事情のもとでは妻BとCの代襲相続人Fだけが相続人であるから、Bの相続分は二分の一、Fの相続分も二分の一となります。
G、HはEの代襲相続人となるための、Bが二分の一、G、Hが二分の一の二分ノー、つまり四分の一の相続分を有します。
前述の事情が加われば、さらにFがCを代襲するから、B二分ノ一、Fは二分ノ一の二分ノ一、つまり四分ノ一、G、Hは二分ノ一の二分ノ一の二分ノー、つまり八分ノ一ずつの相続分を有することになります。

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