相続の意義と相続回復請求権

Aは先妻がなくなった後、Bと結婚しました。後妻Bとの間に子がなかったので、親戚の子Cを小さいときからひきとって育てています。Aは、結婚も縁組もともに届出をだしていません。その後、AはD女と通じ、子Fをもうけ認知しています。
Aが死亡したとするとその相続人は誰になるでしょうか。
もし、B、Cが相続人でないとしたら、何か救済の方法が考えられるでしょうか。
B、Cが相続人と称してAの残した財産を占有しています。Fとしては、それらの財産を回復するにはどういう方法をとることになるでしょうか。Fには、Aの遺産が何と何とから構成されているかわかりません。
Aが死亡してから六年経った。その間に、B、CはAの残した土地と家屋をGに売却し、登記を称した。FはGに対し、この土地の返還を求めることができるでしょうか。
もし、Fが生まれていないとしたら、B、Cは、Aの遺産を手にする方法があるでしょうか。Dはどうでしょうか。

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BはAのいわゆる内縁の妻であり、CもAの事実上の養子にすぎないため、Aの相続人ではありません。立法論的には、内縁の妻や事実上の養子にも相続権を認める必要性がないとはいえませんが、現行法の解釈としては、内縁の妻を配偶者として取り扱うことができないため、内縁の妻を法定相続人ということはできません。事実上の養子も同様です。FのみがAの子としてAの相続人となります。その結果、B、Cは、Aの遺言がなければ相続法上何らの権利もないことになりますが、居住権は保護されるし、遺族給付についてはBにも受給資格が認められています。
Fは、相続権なくして不法に遺産を占有しているB、Cに対して相続権の侵害を理由に相続回復の請求をすることができます。この請求権をもって個別的請求権の集合したものだと構成することもできますが、相続回復請求権は、遺産に対する個々の権原を立証する必要のない独自の請求権です。しかし回復請求訴訟の本質が遺産の返還を求める給付訴訟にある以上、口頭弁論終結時までに返還すべき個々の目的物が特定しなければなりません。個々の遺産が不明であれば、仮処分こ仮差押の方法を広く利用し、相続財産を個別的に把握するほかありません。もっとも、回復請求は相続権確認訴訟の性格をももっていると解すれば、包括的行使によっても回復請求権の時効は中断されます。
相続財産の第三取得者に相続回復請求の被告適格がないというのが判例です。Fは、所有物返還請求権を行使して、Gに土地の返還ないし登記抹消を求めることができます。この請求権には期間制限はありません。ただし学説は、第三取得者に対する返還請求も回復請求だと構成したり、あるいは時効の援用権者を拡大する理論によって、第三取得者にも回復請求権の消滅時効の援用を認めるべきだ、とする方向にあります。
子Fが存在しないとすると、Aの相続人は誰もいないことになるから、B、CはAの特別縁故者としてAの遺産の分与を家庭裁判所に請求することができる。もしDにAの療養看護につくしたといったような事情があれば、Dも分与を請求できる。ただし、分与を認めるべきかどうかは家庭裁判所の専権に図します。

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