内縁

A男とB女は結婚式を挙げて同棲生活を過ごしていますが、婚姻届を出していません。
Bが日用品を購入したとき、Aはその支払の責任を負わねばならないでしょうか。
A、B間は不和となり、Aは家を出てしまいました。BはAに婚姻届の提出を請求できるでしょうか。また内縁解消による慰謝料や財産分与を請求 できるでしょうか。この場合、婚姻予約と準婚理論とでは、どのような違いがあるでしょうか。AはBに結納の返還を請求できるでしょうか。
内縁関係の存続中に生まれたCにつき、Aは認知を拒みます。CのAに対する認知請求はどのように扱われるでしょうか。
炭鉱で働いていたAが、ガス爆発により死亡しました。Bは労働者災害補償保険法による遺族補償年金を受けるでしょうか。Aに相続人がいない場合、BはAの残した財産につき、何らかの権利を主張できるでしょうか。
Aには戸籍上妻Dがいて、Bはこのことを知りながらAと同棲しました。Aが一方的にBとの関係を解消したとき、BはAに慰謝料や財産分与を請求できるでしょうか。またA、Bの同棲中、Aが交通事故で死亡したとき、Bは加害者に対し損害賠償を請求できるでしょうか。

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A、B間に内縁が成立しているとみられます。内縁は共同生活関係では法的保護に値する実質を備えている以上、A、Bに民法七六一条が準用され、Aも日用品購入につき連帯責任を負うことになります。
内縁は当事者のいずれか一方の意思によりいつでも解消でき、BはAに婚姻届の提出を請求できません。しかし、Aが内縁関係を不当に破棄したのであれば、BはAに対し損害賠償を請求できます。この場合、婚姻予約理論では債務不履行責任、準婚理論では不法行為責任となります。両者は消滅時効で多少の差がありますが、賠償の範囲ではほぼ同じです。しかし、損害賠償以外で、準婚理論では財産分与の規定の類推適用が容易になり、内縁保護に厚くなります。結納返還に関しては、内縁の成立によって結納授受の目的は達成されるため、AはBに返還を請求できません。
判例は内縁中に懐胎し、内縁中に生まれた子は民法七七二条を類推して、特別の事情が認められないかぎり父子関係があると推定します。このように内縁から生まれた子について父子関係証明の緩和は当然であって、Cの認知請求に対し、Aはかような推定を覆すにたる事実を立証しなければ、父性の推定を受けます。
労働者災害補償保除法一六条の二は遺族補償年金受給権者に内縁の妻をも法律上の妻と同一に取り扱う旨の規定をおき遺族補償年金受給権者に加えています。Aに相続人がなければ、Bは特別縁故者として清算後残存した遺産の分与を請求できます。
重婚的内縁については、無効説、善意の当事者や第三者に対してのみ無効とはしない相対的無効説、有効説などがあります。近時、最高裁は悪意で情交関係を給んだ女性の慰謝料請求について、両者の違法性の程度を比較し、男性側の違法性が著しく大きいときには、慰謝料請求を認めたのは注目されます。A、Bについても、A、Dの法律婚が形骸化しており、解消が問題にされ、しかも、A、Bの動機の違法性を考量し、Aの違法性がより顕著である場合にはBが悪意でもA、Bの重婚的内縁を有効とみて、Bは慰謝料、財産分与を請求できると考えられます。このように解すればもちろん、相対的無効説をとっても、Bが加害者に損害賠償を請求するにつき、重婚的内縁は障害事由にはなりません。

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