協議離婚

A、B夫婦の協議離婚届が提出され、それが戸籍吏により受理されました。
日頃妻Bが離婚したいと口ぐせのようにいっていたので、夫Aは無断でBの氏名を用い、離婚届を出しました。協議離婚は有効でしょうか。
夫Aは債権者の強制執行を受けそうになったので、これを免れるため、財産の一部を財産分与として妻B名義として、協議離婚の届出をしました。それは仮装の届出であり、二人とも当時真実離婚する意思がありませんでした。後日BがふたたびAに婚姻届の提出を求めたところ、Aはこれを拒否しました。協議離婚は有効でしょうか。
裁判上の離婚のほかに、協議離婚を認めることは立法論的にみて妥当でしょうか。また協議離婚 の手続は現行法のままでよいでしょうか。

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Bが口ぐせのように離婚したいといっていたのであれば、Aの離婚届はBの意思に沿うようにみえます。しかし、協議離婚が有効なためには届書作成ないしは届出の際に、Bに協議離婚の届出をして法律上の婚姻関係を解消する意思が存しなければならず、Aが勝手に出した離婚届は無効です。
債権者の強制執行を免れるために仮装の協議離婚をした場合につき、判例は離婚を有効としています。ここでも、離婚意思はなにかが問題になりますが、前掲判例は離婚をなす夫婦は「爾後一般社会通念より法律上夫婦に非ざるものとして遇せらるべきことを知りて其届出を為すを普通」と述べていることに注目すべきです。法律上の婚姻関係にあるA、Bは届出に対する法的認識をもっているから、この場合の離婚意思とは社会観念上の夫婦関係の解消を欲する意思や届け出ようとする意思ではなく、離婚届を出すことによって婚姻の法的効果を受けるのを拒否する意思の存否を考える必要があります。強制執行を潜脱するためであれ、A、Bによって届出された協議離婚は有効と解すべきです。
日本の協議離婚制度が特殊といわれるのは、それが当事者の合意と届出だけにより成立するからです。イギリスの一九六九年離婚改正法の成立過程で協議離婚が論議されながらも、結局葬り去られた原因には妻の地位に対する配慮がありました。しかし、同法は別居と当事者の合意とを加味した協議離婚類似の破綻主義的離婚原因を規定するにいたりました。こうした傾向はひとりイギリスにとどまるわけではないから、協議離婚制度の廃止は立法論的にみて妥当ではないとおもわれます。ただ、協議離婚制度の活発な利用状況や妻の現実の地位を考えると、協議離婚は追出し離婚として利用されるおそれは十分にあり、家庭裁判所による事前の合意の確認制度の必要性は今日でも解消していないとおもわれます。

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