夫婦の氏

A男とB女とは結婚することとなりましたが、氏をめぐって、いろいろ問題を生じました。
Bには、他に兄妹がいないため、Bの両親はBに氏をついでほしく思っています。どのような方法があるでしょうか。
BがAの氏を称する結婚をしましたが、その後、Aは死亡しました。Bは姑との析合いがわるいので、A方との縁を断ち、生家の氏を称したいと考えています。どのようにすればよいでしょうか。この場合、A、B間の子Cの氏はどうなるでしょうか。
BがAの氏を称する結婚をした後、両者は離婚しました。Bは結婚中、料理家としてテレビにしばしば出演し、著名人となりました。離婚後もBは結婚中と同様Aの氏を称したいと考えています。それを認める方法があるでしょうか。Bの有責により離婚にいたったときはどうでしょうか。離婚に際し、Bは今後Aの氏を称しないという取り決めをA、 Bがしていたのに、Bが離婚後、通称としてAの氏を称しているとき、AはBに対し氏の使用の禁止を請求できるでしょうか。
A、B夫婦の氏は、大楢で、呼び出されるときに、オナラさんと呼ばれ、大勢の人に失笑されたほど、氏の発音に問題があります。氏の変更は認められるでしょうか。

スポンサーリンク

お金を借りる!

A、Bは婚姻の際の協議でいずれの氏を称するか定めるので、Bの両親はその協議に委ねるしかありません。Bの両親はAと養子縁組をすれば目的を達することもできますが、氏はBの両親の実体のない家名存続の意思よりも、A、Bの意思で決定されるべきです。
Aの死亡により婚姻関係は消滅しますが、姻族関係の終了と復氏はBの意思に従います。そこで、Bは姻族関係終了の意思表示のほかに、復氏の意思表示をし、届け出ればよいことになります。Cの氏はBの復氏により影響を受けませんが、Cが氏を異にするために不便な場合には、家庭裁判所の許可を得てBの氏を称しうることができます。
Aの氏を称する婚姻をしたBは離婚により当然に婚姻前の氏に復します。したがって、Bはいったん復氏したうえで、Aの氏を称したければ家庭裁判所に氏の変更の申立をしなければなりません。BがAの氏で料理家として著名な社会的、経済的活動を長年にわたり継続しており、復氏した氏を用いることが本人に不便、不利益をもたらす場合には、氏変更のやむをえない事由に当たり、Aの氏を称することが認められます。有責配偶者の氏の変更の申立の審判例で、有責配偶者はみずから招いて復氏のやむなきにいたったものであるため、たとえ長年の婚姻中の氏であってもそれをやむをえない事由に当てはめることは許されないとするのもあります。しかし、氏の変更がBにとってやむをえないか否かの判断はもっぱら呼称秩序の不変良性を変えるに値する客観的必要性があるがどうかによってなされるべきで、Bの有責性とは無関係と解されます。
A、B間のAの氏の使用禁止の特約はBが離婚後もAの氏を称し、自由に振る舞うのがAないしはその親にとって面白くないという、家意識ないしは個人的感情に由来する場合が多く、Bに格別の不法の意図がないかぎりAの使用禁止の請求は許されません。
大楢という氏が氏の変更事由に当たるかでは、発音上他人から嘲笑されA、Bに屈辱を抱かしめる場合には、文字自体は滑稽、珍奇ではなくとも、氏自体が滑稽、珍奇なものとみるべきで、変更事由に当たるといえます。

お金を借りる!

契約の成立/ 懸賞広告/ 契約締結上の過失/ 同時履行の抗弁権/ 危険負担/ 第三者のためにする契約/ 契約の解除1/ 契約の解除2/ 贈与/ 売買の手附金/ 売買での売主の担保責任/ 不動産売買での売主の担保責任/ 売主の担保責任/ 消費貸借/ 使用貸借/ 宅地賃貸借/ 建物賃貸借/ 賃貸借の賃料/ 建物賃貸借2/ 建物賃貸借3/ 雇傭/ 請負/ 委任/ 寄託/ 組合/ 終身定期金と和解/ 事務管理/ 不当利得/ 責任能力と失火責任/ 自動車事故での不法行為1/ 自動車事故での不法行為2/ 自動車事故での不法行為3/ 名誉、プライバシー/ 取引事故/ 婚約/ 婚姻の届出/ 夫婦の氏/ 夫婦の財産関係1/ 夫婦の財産関係2/ 協議離婚/ 審判、裁判離婚/ 財産分与請求権/ 内縁/ 嫡出子/ 嫡出でない子/ 養子縁組/ 親権、後見1/ 親権、後見2/ 扶養1/ 扶養2/ 相続の意義と相続回復請求権/ 相続人/ 相続の効力1/ 相続の効力2/ 遺産分割/ 相続の承認と放棄/ 相続人の不存在/ 遺言/ 遺留分/