婚姻の届出

A男は仕事の上で知りあったB女と交際しているうち、Bと結婚したく思い、Bに結婚を申し込んだが、Bはなかなか結婚にふみきれないでいました。
婚姻届を出せばBも結婚を承諾してくれるだろうと思い、Aは無断でBの氏名を用い、届出をしてしまいました。婚姻の無効を理由に、Bが戸籍訂正をするにはどのような手続をとればよいでしょうか。
Bは、Aが無断で婚姻届をしたことを承知の上、Aとその後数ヶ月同棲しました。しかしA、B間は結局不和となり、両者は別居するにいたりました。A、Bは、それそれ婚姻の無効を主張できるでしょうか。
A、Bが同棲した後、AはBに協議離婚を申し入れ、Bはいったんこれに応じ届書に署名、捺印しました。しかしBは思い直し、離婚届は提出しないでほしいとAに申し入れたのにかかわらず、Aはこの届書を提出してしまいましたた。離婚は成立しているといえるでしょうか。離婚届にBが署名、捺印した当時、Bが病床にあり、その直後Bが意識不明となり、その間にAが届出をすませたとき、離婚は成立しているといえるでしょうか。
A、Bは同棲した後、不和となり別居しています。AはBに協議離婚を申し入れましたが、Bがこれに応じないので、Aは無断で離婚届を出してしまいました。その後もA、Bは同棲していません。協議離婚は有効でしょうか。

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戸籍事務管掌者は形式的審査権しか有しないため、Bの婚姻意思を欠き無効な婚姻届も受理され、新戸籍が編成されます。婚姻無効は戸籍記載上明白でないので、戸籍の訂正には婚姻無効の確定判決 を必要とするというのが取扱例です。そこでBは家庭裁判所に調停を申し立て、A、B間で合意が成立すれば婚姻無効の審判を受けることができます。当事者から異議申立がなければその審判は確定判決と同じ効力をもつから、Bは審判確定から一カ月以内にその謄本を添えて戸籍訂正の申請をすればよい。
無断で婚姻届がなされた場合その婚姻は無効ですが、判例は届出を知って同棲関係を続ければ黙示の追認により婚姻意思が補完され、婚姻は届出時に遡って有効になるとしています。ただ、いつから有効になるかは追認理論の援用の適否とともに問題として残ります。本問の場合、Bは届出を知って、数カ月の同棲をしているので、婚姻意思が補完されたとみられます。したがって、婚姻の無効は主張できないと考えられます。
一般に、届出を婚姻の成立要件とし、その届出に婚姻意思が表示されるとみて、届出時における合意の存在を重視します。判例は、Bが届書作成当時には離婚意思をもっていた事案につき、その後、翻意してAに離婚意思の撤回を申し入れたときには、届出当時Bに離婚意思がないから、協議離婚は無効といい、届出当時にBが意識を失っていたときにも、結論は異ならないはずですが、届出の受理以前にBの翻意するなどの特段の事情がないかぎり、受理により、離婚が有効に成立すします。後者の場合、成立要件説でも、届書作成時の意思が特段の事情がないかぎり受理時まで存続 すると擬制せざるをえません。合意と届出の有機的結合が実現する届書作成時に離婚成立の時点をおき、撤回がないかぎり、有効と解する方が妥当です。
Bに無断で出された協議離婚は無効ですが、その後A、B間の別居状態があれば、それでBの離婚意思が補完されたことになるか。別居という消極的状態だけで離婚意思を推定することはできません。そのほかに、Bに離婚意思があることを明確に示す事実がないかぎり、協議離婚は無効です。

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