自動車事故での不法行為3

A所有自動車をAが路上に駐車させていたところ、Bがこれを盗み出して運転中事故を起こし自転車に乗って道んでいた五歳の子供Cを死亡させました。Cの両親D、Eは、損害賠償を請求したいと考えています。
Aに責任があるでしょうか。
Cに過失ありとして過失相殺を認められるでしょうか。
D、Eは、Cの得べかりし利益の喪失による損害賠償を請求できるでしょうか。Cが即死したとき、D、Eは、Cの逸失利益の損害賠償請求権を相続しうるでしょうか。
Cが即死したとき、D、Eは、Cの慰謝料請求権を相続したとして、それを行使できるでしょうか。
Cの葬式費用をD、Eは損害に計上できるでしょうか。
D、Eは、損害賠償請求訴訟における弁護士費用を損害に計上できるでしょうか。

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旧来の支配的な考え方によると、盗難にあった所有者は、民法七〇九条に基づき自動車に対する管理面での過失がある限り、泥棒運転中の事故についても責任を負うとされていた。これに対し、近時、所有者は、自動車損害賠償保障法三条の運行供用者として、免責事由を証明しなければ責任を負う、とする解釈が有力になってきています。七〇九条は、自動車事故の損害賠償事件を処理することを予定して作られたものではないし、それに、自動車の危険度と動物のそれとを対比すれば、動物占有者責任の規定により近い自賠法を用いるのが妥当です。
幼児についても、事理の弁職力がある限り、過失を認め相殺できますが、この弁職力が欠けているときは、親の過失を認めて相殺することもできます。
生命を侵害した者は、死者の逸失純収益、失われた労働力資本の評価額を相続人に賠償すべきだというルールは、民法の予定していないものですが、人間の労働力の商品化が一般化した大正以降判例法として確立されました。即死の場合に、相続人は、この請求権を相続承継するのか、原始的に取得するのかは、かつて争われた問題ですが、ふつうの商品がこわされるのと同時に所有者が死亡した場合と同じで、実益のない論争です。
慰謝料請求権の相続も、民法は予定していませんでした。大審院は、被害者が請求の意思を示したときは相続の対象となる、という構成の下に、固有の慰謝料を請求しない遺族のために相続承継を認めました。
当時の学説は、この構成を批判し、最高裁も無条件相続を認めるようになりました。
判例は、早くから葬式費用の賠償を認めているますが、それが生命侵害による損害とよべるかは、民法制定当初から問題とされました。しかし、生命侵害という損害につき、どのような名目で賠償させるのが説得的かという角度からいえば、死者の霊を慰めるための葬式費用賠償は、明治初年から認められており、今もなお、説得力があるるといえます。
弁護士費用は、不法行為による損害賠償債務の不履行に基づき要するものですが、近時の判例は、不法行為と相当因果関係に立つ損害という構成をとおしてその賠償を認めています。

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