自動車事故での不法行為1

A運送会社は、名義料をとってBに貨物運送業の名義を使わせ、Bは下請負人CにA名義で貨物の運送をさせていました。Cの被用者Dは、C所有自動車をCに無断でもち出し、妻Eを同乗させ私用のために運転中事故を起こし歩行者Fおよび妻Eを負傷させました。
FはAに対して損害賠償を請求できるでしょうか。適用すべき法条は何でしょうか。
Cが事故車の保有者として強制保険に加入しているとき、Eは保険金の支払を受けるでしょうか。
Fが信号を無視してとび出したため、Dが避けきれず事故を起こした場合、Dの責任は認められるでしょうか。
市の設置した信号機が故障していて、それが事故の一因をなしていた場合、Fは市に対して損害賠償を請求てせきるでしょうか。市の責任と、A、B、C、Dらの責任とは、どういう関係にあるでしょうか。
Fが二〇歳の未婚の女性で顔にけがをし、治療後も傷あとが残るとき、Fの父母G、Hは、Dらに対し慰謝料を請求できるでしょうか。

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下請人は、加害車に対する全面的な管理(所有、占有)権者であり、加害者に対する一般的な監督権者(雇主)です。この場合、被用者の無断運転中の事故だ、というだけでは、管理、監督面での不適切を推定させるにとどまるでしょう。これに対し、下請に出した方?その事業主は、名目だけにせよAは、管理、監督権があったとしても、それは、下 請仕事の面に限られるのがふつうで、その遂行中の事故は別とし、管理、監督権の及びえぬ事故についてまで責任を負わせることは、不当視されます。判例は、この結果を、次のような法的構成をとおして是認します。すなわち、この種の事故は、外形的、客観的には、下請人の「事業ノ執行二付」いて生じたものといえ、また、下請人を、自動車損害賠償保除法三条の運行供用者といえますが、下請に出した方については、そうはいえません。
自賠法は、運行供用者の免責事由を限定しており、その運用面でも、免責事由が認められることはまれです。ということは、責任保険の建前にもかかわらず、災害保険化しつつあることを意味します。夫の好意が仇になった場合に、その責任を追及する妻はまれだし、そうすることは、多くの場合、不当視されますが、妻を同法三条の「他人」として保険、受給権を認めることは、この傾向にそうものです。
被害者の過失を認めうるとしても、それだけでは、運行供用者は免責されません。問題は加害者の過失ですが、その判断基準となる注意義務の内容は、現場の地形、交通事情ばかりでなく、災害保障の方向を進めるべきか否か、といった価値判断によっても違ってきます。
信号機の故障を「公の営造物の設置又は管理の瑕疵」と構成し、市の責任を追及できます。この場合、Dの責任との関係は、不真正連帯と解され、責任を果たした者は、瑕疵、過失の程度できまる負担部分を超える部分につき、求償できることになります。
そして、民法七一一条を類推し、父母の慰謝料請求が認められています。

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