組合

甲村に居住するAら農民二〇名は、金を出しあって、甲村特産のみかんを集荷し、これ缶ジュースにして販売し利益をあげるため、甲村オレンジジュース組合を組織しました。最初は経営も順調でしたが、次第にジュースの売れゆきが思わしくなくなり、債務の返済にも苦しむこととなりました。また経営方針につき、組合員の意見も割れがちでした。
この組合は民法上の組合か、それとも権利能力のない社団または財団か。何を基準にしてその判断を下すべきか。そのどれであるかにより、どのようなちがいがでてくるでしょうか。
この組合には業務執行者が定められていなかった。Aら一五人の組合員は、残りBら五人の意向をはからずに、組合財産に属する缶詰用の機械を第三者Cに売却する契約を締結しました。Bら五名はCに対し、売買の無効を主張できるでしょうか。
業務執行者をAと定めていたところ、Aは、甲村オレンジジュース組合長の肩書で、他の組合員にはからずD銀行より五〇万円を借り入れました。DはAら二〇名全員に五〇万円の支払を請求できるでしょうか。その場合、Aら二〇名の債務は分割債務となるでしょうか。Aら二〇名が借金については事前に協議を要すると内部で定めていたのに、Aがこれを無視して上記の借入をしたときの消費貸借契約は有効になるでしょうか。

スポンサーリンク

お金を借りる!

組合か、それとも権利能力のない社団、財団かは、構成員の個性が強いか、それとも団体としての統一性が強いかにより区別されるとするのが通説的見解です。ただ判例をみると、その区別は便宜的であり、争われる問題につき、組合の規定による方が通切なときにはその団体を組合だといい、法人的処理が通切なときには、権利能力なき社団とみる傾向があると思われます。組合の場合にも、業務執行者が定められ、業務執行者による代表が認められるときには、一般的、抽象的に権利能力のない社団、財団と区別した上での解決は妥当でなく、争われる問題についての合理的基準を組合規定、法人規定の中から探り出して解決することがのぞましいと思われます。そこで本問の団体を直ちに組合、権利能力のない社団、財団のいずれかと断定することは意味をもたないと考えられます。
民法上の組合において業務執行者が定められていないときには、対外的業務は、構成員の代理により処理するほかはありません。この場合、必ずしも全員の意見の一致を要せず、多数決で決定します。本問の場合、多数のAら一五名が少数のBら五名の意向をはからず、組合財産を第三者Cに売却する契約を締結したとき、内部的に決定の手続を経なかったことは問題ですが、対外的効力は妨げられず、Bら五名はCに対し売買の無効を主張しえません。
組合の債務については共有説と合有説との対立があります。前説によると、各組合員の分割債務となりますむが、後説によると、組合が債務を負い、組合財産がその引当てとなり、あわせて各組合員が分割責任を負います。本問のように、組合の業務執行者が組合員全員を代表して五〇万円を銀行から借り入れたとき、こいずれの立場をとるかにより異なりますが、いずれにしても最終的には組合員は、損益分配の割合に応じ、分割責任を負います。
業務執行者が内部でのとりきめに反して無断でD銀行より五〇万円を借り入れた場合、他の組合員は、代表権の制限を善意、無過失の第三者に主張しえません。そこでD銀行が善意、無過失であれば消費貸借契約は有効です。

お金を借りる!

契約の成立/ 懸賞広告/ 契約締結上の過失/ 同時履行の抗弁権/ 危険負担/ 第三者のためにする契約/ 契約の解除1/ 契約の解除2/ 贈与/ 売買の手附金/ 売買での売主の担保責任/ 不動産売買での売主の担保責任/ 売主の担保責任/ 消費貸借/ 使用貸借/ 宅地賃貸借/ 建物賃貸借/ 賃貸借の賃料/ 建物賃貸借2/ 建物賃貸借3/ 雇傭/ 請負/ 委任/ 寄託/ 組合/ 終身定期金と和解/ 事務管理/ 不当利得/ 責任能力と失火責任/ 自動車事故での不法行為1/ 自動車事故での不法行為2/ 自動車事故での不法行為3/ 名誉、プライバシー/ 取引事故/ 婚約/ 婚姻の届出/ 夫婦の氏/ 夫婦の財産関係1/ 夫婦の財産関係2/ 協議離婚/ 審判、裁判離婚/ 財産分与請求権/ 内縁/ 嫡出子/ 嫡出でない子/ 養子縁組/ 親権、後見1/ 親権、後見2/ 扶養1/ 扶養2/ 相続の意義と相続回復請求権/ 相続人/ 相続の効力1/ 相続の効力2/ 遺産分割/ 相続の承認と放棄/ 相続人の不存在/ 遺言/ 遺留分/