請負

AはBに家屋の建築を口頭で依頼し、Bは総額五〇〇万円の見積書を持参し、Aがこれを了承したので、Bは早速建築にとりかかりました。
請負契約は成立しているといえるでしょうか。
建築中、建物の一部が崩壊し、通行中のCが重傷を受けました。Cはだれに損害賠償を請求すればよいでしょうか。
建築が完了して引渡前に、地震により建物が傾いてしまいました。BはAに請負代金の全額を請求しうるでしょうか。
AはBが行なったコンクリート基礎工事が不完全だとして、爾後の工事の中止を申し入れ、そのやり直しを求めたが、Bはこれを無視して工事を進めようとします。Aはいかかる措置をとりうるでしょうか。工事が完成した場合、Aは請負代金の支払を拒めるでしょうか。建物の引渡を受けた後、AはBに対しいかなる請求をなしうるでしょうか。
Aが建築を急がせたので、Bは夜間にも工事を進めた。隣りに住むDは、建築による騒音、振動がいちじるしく、また日照も害されると主張し、工事の中止をA、Bに申し入れましたが、Bはこれを無視して工事を完了しました。DはBに対しても損害賠償を請求できるでしょうか。

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請負契約は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって成立する諾成契約です。したがって契約の成立が認められます。建設業法一九条は、建設工事の請負契約の当事者は、契約締結に際して一定の事項を書面で明らかにすることを義務づけていますが、これは契約の成立要件ではありません。
建物の一部が崩壊したため重傷を受けた場合には、請負人に対して不法行為責任を追及することができます。注文または指図につき注文者に過失あるときは注文者も連帯して損害賠償責任を負うことになります。
建築を完了し、建物を注文者に引き渡すことも仕事完成の義務に含まれます。建物が傾いたことは目的物の毀損の場合に含めて考えてよいが、原則として一部履行不能となったと考えてよいでしょう。そして本件の場合、引渡の時に建物の所有権は注文者に移転し、この時に危険も移転すると考えるべきです。地震によって建物が傾いた場合は当事者の責に帰すべからざる事由による履行不能であるため、民法五三六条一項が適用になり、一部履行不能の部分については請負人が危険を負担することになります。したがって請負代金の全額請求は認められないことになります。
建築完成前であれば、注文者は自由に契約を解除できますが、損害賠償をしなければならないことになります。基礎工事の不完全が契約内容と異なる場合なら、債務不履行を理由とする契約の解除をなしうると解してよいでしょう。
工事が完成しても基礎工事に瑕疵があるから、修補に代わる損害賠償請求権または修補と共に損害賠償を請求する権利を注文者は有し、これは請負代金請求権と同時履行の関係に立つから、支払を拒むことができます。建物の引渡を受けた後でも瑕疵担保責任を追及できますが、留保なしに引渡を受ければ、権利の放棄があったと判断されるおそれが生じます。
騒音、振動が被害を発生させた場合には、請負人に対しても損害賠償の請求が認められます。日照妨害についても同様です。

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