賃貸借の賃料

地主Aは、借地人Bに対し、二月一日附の書面で、従来の地代月五、〇〇〇円を二月分より一万円に値上げする旨通告し、その書面は二月三日Bに届きました。Bはこれに応じないで、二月分を従来どおり五、〇〇〇円A方に持参したところ、Aはこれを受けとりませんでした。そこでBは二月分以降の地代を月五、〇〇〇円ずつ供託した。一方、AはBに対し、毎月一万円の地代を支払うべき旨の訴を提起しました。
裁判所は、いかなる事情があれば値上げを認めうるでしょうか。
裁判所が一〇月一日、月八、〇〇〇円をBはAに支払えという判決を下す場合、いつからの値上げを認めるべきことになるでしょうか。
Bの供託が毎月三、〇〇〇円ずつ不足していたことは債務不履行になるとして、Aは賃貸借契約を解除しうるでしょうか。また不足分についての利息はどれだけでしょうか。

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地代の増額請求が認められるのは、契約成立後あるいは前の地代改訂後相当な期間が経過し、かつ、土地に対する租税等の増加、土地価格の高騰により、または比隣の地代と比較して地代が不相当となったとき認められています。期間を定めて不増額の特約があればこれに従うことになります。賃貸借契約をめぐる経済事情の変更に契約条件を対応させる趣旨で認められたものですが、これらの事情の変更をどのように地代増額に反映させるべきかが検討すべき重要な問題点となってきます。
地主の地代増額請求権は、形成権と判例、学説とも解しているため、請求のあったとき、正確には請求の意思表示が相手に到達したときに相当な地代の増額があったことになります。したがって、二月一日から増額する内容の請求であっても、意思表示が到達したのは三日であるからこの日をもって区分し、四日以後について増額を認めるのが妥当です。
増額の意思表示ありたるとき後に裁判所が確定する相当額に増額されたことになるとすると、供託額が確定額に足りない場合債務不履行が成立し、催告のうえ契約を解除されるおそれがあります。判例は、解除権の濫用、地主のだした催告は過大催告であることを理由に無効などの理論で借地人の保護をはかってきましたが、昭和四一年の借地法改正によりこの問題に一応の解決が与えられることになりました。裁判によって増額分か確定するまでは、借地人が相当と認める地代を提供あるいは供託すればよいことになったからです。確定額八、〇〇〇円と従前の地代と同額の供託額五、〇〇〇円との差があるときでも、供託額をもって借地Aが相当と認めた以上、これを理由とする契約解除は認められないことになります。従前の地代では相当でないと認めながら、従前通りの額を供託したというときは、その立証はむずかしいが、解除が許されます。
不足分については、年一割の支払期後の利息を附して支払わなければなりません。

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