宅地賃貸借

Aは所有宅地をBに五年の約束で賃貸しました。Bは建物を建てこれに居住しています。
五年後、AはBに対し、期間が満了したという理由で建物収去、土地明渡を請求しました。Aの請求は認められるでしょうか。
一〇年後、建物が朽廃しそうになったので、Bは基礎および柱、壁につき大がかりな補修工事をしました。AはBの借地権は消滅したはずだとして建物収去、土地明渡を請求します。Aの請求は認められるでしょうか。
一五年目に建物、が類焼により焼失してしま いました。Bが鉄筋のビルを建てようとしたところAは土地の返還を求めました。Bがこれを無視して建物を建てた場合、A、B間の法律関係はどうなるのでしょうか。
五年の期間というのは、A、B間で以前締結されていた土地賃貸契約につき紛争があり、その解決のため和解でとりきめられたものでした。その場合、Aは五年後Bに対し建物収去、土地明渡を求めうるでしょうか。
A・B間で増改築禁止の特約がありましたが、Bは商売上、建物か二部改造したい。Aがこれに反対するとき、Bはどうすればよいでしょうか。

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存続期間の約定が最短期の制限に違反すると無効になり、堅固でない建物の所有を目的とする借地権でも存続期間は三〇年となるため、Aの請求は認めることができません。
借地法二条一項の場合、朽廃により借地権は消滅することになります。修繕が通常の保存行為とみられるときは、建物が実際に朽廃するまで借地権は消滅しないが、大がかりな補修工事の場合はどうか。考えかたは対立していますが、大修繕に対して地主が異議を述べなかった場合は、現実の朽廃または当初の存続期間まで消滅しないが、異議を述べたときは、修繕前の建物が朽廃すべかりしときに消滅すると解するのが合理的です。
建物の滅失により借地権は消滅しないからAの請求は認められません。Bの新築に対してAが遅滞なく異議を述べなかったときは、建物滅失の日より起算して三〇年間借地権は存続することになります。Aのなした土地返還請求を上記の異議と解することはむずかしい。
裁判上の和解が問題となった事例では、一時使用の賃借権と解され期間満了時に建物収去、土地明渡を命ずることが多かった。しかし、裁判上の和解だから直ちにそうなると考えるべきではなく、従来の借地権の性質、和解の経緯と内容を検討のうえ、実質的に一時使用の賃借権か否かが判断されなければなりません。
禁止特約を一般に無効とすることはむずかしいが、借地法の趣旨を尊重して、合理的な制限を加えていくべきです。増改築が借他人の通常の土地利用上相当と認められ、賃貸人に対する信頼関係を破壊するおそれがあると認められない場合には、禁止特約違反を理由とする解除権行使を否認した判例がありますが、正当です。本件の場合、無断で一部改造を行なっても解除権行使は許されないと考えられます。なお、事前に紛争を防止する手段として借地人が貸主の承諾に代わる裁判を求める途が開かれています。

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