使用貸借

A、B夫婦は、妻B所有の土地に夫Aが資金を出して、天ぷら屋を経営するために建物を建て、ここに居住してきました。後に、A、Bは協議離婚をし、Bは実家に帰りました。
BはAが無権限でB所有土地を占有しているとして、Aに対し建物収去、土地明渡しを請求しました。Aは従来どおり、天ぷら屋を経営しており、土地使用の目的は終了していないと主張しています。Bの請求は認められるでしょうか。
離婚後、AがBに土地使用の謝礼として毎年末に多少のお礼の金を送っていたとき、AはBに対し借地権を主張しうるでしょうか。

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夫婦の一方が他方の所有地にその許諾のもとに建物(婚姻住居)を建築所有したり、一方の所有建物に他方がともに居住(同居)したりすることがあるが、これは、夫婦間における同居、協力、扶助の権利、義務ないし婚姻費用(金銭・現物)の分担責任の具体的実現であり、夫婦間における財産利用の一場合であるということができる。民法は、このような夫婦間の財産利用について、直接、なにも規定していないので、どう構成するか問題ですが、しかし、当事者が夫、妻という身分を帯有している緊密な間柄であること、利用(使用)が有償でないことなどからすると、使用貸借的なものとして構成することは、それほど無理ではありません。もちろん、このようにいうことは、典型契約としての使用貸借に関する規定をそっくりそのまま適用しようという趣旨ではありません。夫婦共同生活の場としてあるという特殊性を考慮しながら、これに反しないように修正適用しようというのです。したがって、例えば、維持管理費用については、五九五条が適用されるべきではなく、七六〇条により、双方の「資産、収入その他一切の事情を考慮して」、その費用分担がなされるべきです。また、「使用の目的」は、離婚によって婚姻が解消しないかぎり終了することはないとみるべきです。ということは、離婚しなければ、たとえ別居していても「使用の目的」が終了したことにならないから、他方(許されて使用している方)に対し収去、明渡を請求することはできませんが、離婚すれば、それで「使用の目的」が終了したことになるため、解約するまでもなく当然に他方に対し収去、明渡を請求することができる、ということです。もっとも、離婚成立と同時に収去、明渡を請求することができるとするのは問題であって、少なくとも七六八条二項に定める期間が経過するまでは収去、明渡を請求することができない(猶予される)と解すべきです。
離婚後、AはBに土地使用の謝礼として若干の金員を送っているということですが、普通、これを土地使用の対価とみることはできません。したがって、AのBに対する借地権の主張は認められないということになります。

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