売主の担保責任

A自動車製造会社に、Bは部品を製造のうえ供給する契約を締結し、継続的に部品を納入していました。DはA会社の製造した自動車をディラーCを通じて購入し、月賦で代金を支払うこととしました。
A、B間の契約は、いかかる種類の契約と解すべきでしょうか。Bの製造、供給した部品が不良なとき、AはBに対していかなる請求をなしうるでしょうか。部品製造につき、欠陥がAの指示に由来する場合とそうでない場合とのちがいはどうでしょうか。
部品が不良であることが判明したので、Dは再三Cに修理を要求してきたが、Cはこれに応じません。Dは自動車の取替を要求しうるでしょうか。
Dはこの自動車を運転していたところ事故 により負傷しました。事故の原因は自動車の部品の不良に基づくことが判明しました。DはAに対して損害賠償を請求しうるでしょうか。請求しうるとすると、その根拠は何でしょうか。
Dが代金を完済するまで、Cが自動車の所有権を留保していたところ、Dは事故によりEを負傷させました。事故がBの供給した部品の欠陥に由来することが判明したとき、Eは誰に対して損害賠償を請求しうることになるでしょうか。

スポンサーリンク

お金を借りる!

Bが製造、納入する部品が、もっぱらまたは主としてBの材料によるものであるとすると、A、B間の契約は、いわゆる製作物供給契約です。製作物供給契約は、従来、一般に、請負と売買の混合契約とされてきました。しかし、今日の規格化された大量生産、販売システムのもとでは、注文で物を製作、供給するのも、見込で製作した物を供給、売買するのも、本質的には同じで、区別の合理的理由にとぼしい。したがって、製作物供給契約は、特段の事情がないかぎり、種類売買と同様に扱えばよく、給付物に瑕疵がある場合の扱いは種類売買のそれと同様の問題状況にあります。もっとも、目的物に代替性がないとか、代替性があっても発注者の指図によって製作したというような場合 (特段の事情)は、請負とみるべきで、給付物に瑕疵がある場合は六三四条以下の担保責任によることになります。
DがCから購入した自動車が新車の場合と中古車の場合があり、前者は種類売買、後者は特定物売買です。給付物に瑕疵がある場合、特定物売買では、五七〇条の瑕疵担保責任による。通説(法定責任説)は、瑕疵修補費用を損害賠償で請求できるにすぎないとしますが、契約責任説は、履行請求として瑕疵修補そのものを請求できるとします。種類売買では、不完全版行として扱うか、五七〇条の瑕疵担保責任(法定責任か契約責任か)として扱うかで判例、学説が対立します。不完全履行説、契約責任説では、瑕疵修補、代物給付請求ができるが、法定責任説では、特約がないかぎり当然にはできません。
DはAに損害賠償責任を問うことができると解すべきですが、これを不法行為責任とするか、一種の契約責任(債務不履行責任)とするかは問題です。前者では、七一七条の精神の類推適用により無過失責任とする説などがあります。後者では、メーカーとユーザ ーとの間に契約ないし契約類似の関係ありとして、ユーザーがメーカーに対し商品の品質、性能の保証責任、信頼責任を追及できるとするか、あるいは、売主の瑕疵担保責任規定を拡大適用していくか、さまざまな説があります。
Eは、AとBに対し共同不法行為責任を問うことができます。もっとも、BのAに対する従属関係のいかんによっては七一五条の使用者責任によることもあります。

お金を借りる!

契約の成立/ 懸賞広告/ 契約締結上の過失/ 同時履行の抗弁権/ 危険負担/ 第三者のためにする契約/ 契約の解除1/ 契約の解除2/ 贈与/ 売買の手附金/ 売買での売主の担保責任/ 不動産売買での売主の担保責任/ 売主の担保責任/ 消費貸借/ 使用貸借/ 宅地賃貸借/ 建物賃貸借/ 賃貸借の賃料/ 建物賃貸借2/ 建物賃貸借3/ 雇傭/ 請負/ 委任/ 寄託/ 組合/ 終身定期金と和解/ 事務管理/ 不当利得/ 責任能力と失火責任/ 自動車事故での不法行為1/ 自動車事故での不法行為2/ 自動車事故での不法行為3/ 名誉、プライバシー/ 取引事故/ 婚約/ 婚姻の届出/ 夫婦の氏/ 夫婦の財産関係1/ 夫婦の財産関係2/ 協議離婚/ 審判、裁判離婚/ 財産分与請求権/ 内縁/ 嫡出子/ 嫡出でない子/ 養子縁組/ 親権、後見1/ 親権、後見2/ 扶養1/ 扶養2/ 相続の意義と相続回復請求権/ 相続人/ 相続の効力1/ 相続の効力2/ 遺産分割/ 相続の承認と放棄/ 相続人の不存在/ 遺言/ 遺留分/