不動産売買での売主の担保責任

不動産業者Aは土地を五〇〇万円で売却する旨の契約を締結し、Bは即金一〇〇万円を支払いました。
この土地は、実は第三者Cの所有であり、CはAに所有権を移転するつもりがありませんでした。BはAの言により、Aの所有と信じてこの土地を買ったとき、Aに対しどのような請求をなしうるか。もしBがC所有の事実を知っていて、CがAに所有権を移転するものと信じていたとき、BはAに対しいかかる請求をなしうるだしょうか。
Bは残代金を全部支払い、建物を建てるため市に建築確認を求めたところ、この土地の一部が道路予定地として告示されていたことが判明しました。Bは建築を断念し、早速Aに対し代金の返還、損害賠償を申し入れました。その後二年間、Bは再三Aに対し請求をくりかえしたが、Aが善処しないため、訴を提起しました。Bの請求は認められるでしょうか。かりに認められるとすると、損害賠償の範囲はどうなるでしょうか。また契約書に売主が担保責任を負わない旨の特約が印刷されていたらどうでしょうか。さらに、錯誤によりBを救済しうるでしょうか。

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他人の物の売買において、売主がその物を他人から取得して買主に移転することが不能である場合は、買主は、善意、悪意にかかわらず、契約を解除して代金の返還を請求することができ、善意の買主はさらに損害賠償の請求ができるのであって、不能は売主の責に帰すべき事由によることを要しません。買主は、契約に際して、目的物が売主のものであると誤信したり、あるいは、他人の物であることを知っていても売主がそれを他人から移転してもらえるものと誤信することがあり、このような場合には、九五条の錯誤との競合が問題になりますが、学説では、五六一条の担保責任の適用だけを認めるべきであるとする説示有力です。
建築用地として買った土地が、実は、道路予定地で、そのため、所期の目的を達成することができない場合は、買主は売主に対して担保責任を追及することができます。問題は、目的物に隠れた瑕疵があるとして五七〇条を適用するか、目的物の使用収益に制限がある場合として五六六条を適用するかですが、判例、通説は、前説を採用します。担保責任には一年の期間制限があり、学説では、これは除斥期間で一年内に訴も起こさなければならないとする説などが有力です。判例も除斥期間と解します、この期間内に権利(解除権)行使さえしておけば、その結果としてこの訴の提起は一般の消滅時効(一〇年)にかかるまでできるとしています。次は、売主Aの負うべき損害賠償の範囲ですが、この点について、通説は、瑕疵がなかったと信頼したことによる利益つまり信頼利益の賠償(契約書作成費用、準備費用など)であるとします。しかし、瑕疵のない物の給付がなされたら受けたであろう利益つまり履行利益の賠償であるとする説、原則として信頼利益の賠償であるが売主に過失がある場合には履行利益の賠償であるとする説、損害賠償の範囲を買主の負担した対価(代金)の範囲に限定すべきであるとする説などもあります。担保責任を負わない旨の特約は有効ですが、五七二条による制限があることに注意しましょう。担保責任と錯誤との関係については、担保責任の主張だけが許されるとする説が有力です。

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