売買での売主の担保責任

土地分譲会社Aは、分譲地見学のバスで希望者に現地を見学させ、その結果、Bは一五〇平方メートルの土地を五〇〇万円で買うこととし、即時二万円を支払いましたた。印刷された契約書には、買主が契約に違反して解除するときには、売買価額の二割を支払うことが記載されています。
Bはその後、他の地に土地を求めることとし、契約を解除したい。Aは違約金一〇〇万円を請求する。Bはこれを支払わなければならないでしょうか。
Bはこの土地に建物を建築するつもりで実測してみたところ、一四〇平方メートルしかありませんでした。BはAに対し代金の減額を請求しうるでしょうか。
逆に実測の結果、一六〇平方メートルあったとき、AはBに追加代金の請求をなしうるでしょうか。

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買主Bが売主Aに支払った二万円の金員が手附だとして、本問では別に違約金の特約があるから、それは解約手附とみてよく、Bは、Aが履行に着手するまでは手附金で土地売買契約を解除することができます。買主が契約不履行のときは売買価額の二割を違約金として支払わなければならない旨の特約があっても、買主の方で五五七条により解除すれば、売買契約は遡及的に無効となるから、そのような特約が働く余地はなく、買主は売主からの違約金請求をまぬがれることができます。もっとも、本問の場合、二万円というのは、五〇〇万円の売買価額に比し手附としては少額にすぎる観がないではありません。というのは、普通、手附金は売買価額の一割ということになっているからです。しかし、本問のA会社が土地分譲を業とするもので、あらかじめ用意した分譲地見学バスに希望者を乗せて現地に案内し、そこで巧みに土地欲しさの客に契約締結をせまり、慎重熟慮の機会を与えず契約書 に署名、押印させて二万円を支払わせたのだとすると、その前後の事情からみて、買主が代金の支払に先立ち慎重熟慮の機会を確保し解除権を留保する趣旨でつまり解約手附として二万円を交付したものとみるが、信義則に照らし妥当であるといえます。
本問の売買が数量指示売買かどうかであるが、宅地とくに分譲地の場合は、実測のうえその実測面積に応じて売買代金を決めるとか、実測の結果、面積に過不足があれば売買代金を清算するという趣旨の約定があるのが普通であり、これが、いねば取引慣行となっていて当事者の通常の意思、合理的意思にかなっているといえるため、本問の場合、特に明示の約定がなくても、数量指示売買とみて差支えありません。したがって、BはAに対し不足面積に相当する代金の減額を請求することができます。
売主の指示面積より実測面積の方が多い場合に、売主が追加代金の請求をしたり、あるいは、超過部分の返還を請求したりすることができるかどうかは、契約の意思解釈の問題です。売主の担保責任の問題ではありません。宅地売買では、当事者の意思は、実測して代金の清算をするにあるとみてよく、したがって、AはBに追加代金を請求することができます。

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