売買の手附金

Aは二月一日、所有土地、建物をBに一、〇〇〇万円で売却する旨の契約を締結し、Bは即日、内金二〇〇万円を支払いました。
AはBとの約束に反し、三月一 日、この土地、建物をCに一、五〇〇万円で売却し、移転登記を完了してしまいました。BはAに対していかかる請求をなしうるでしょうか。内金は手附と解すべきでしょうか。手附でないとすると、どのような解決がありうるでしょうか。
上記の場合、内金が手附だとして、Bが二月一五日、土地、建物の引渡を受けていたときはどうなるでしょうか。
上記の場合、Bが二月一五日、売買予約に基づき所有権移転請求権保全の仮登記をしていたら、BとCとの関係はどうなるでしょうか。
この建物に、借家人Dが居住しているとき、買主は、いつからの家賃をとれるでしょうか。

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内金というのは、売買、請負などの契約において代金、報酬などの全額支払に先立って支払われる一部の代金、報酬などのことで、本来は、単なる債務の一部弁済にすぎず、手附ではありません。しかし、実際上、契約締結の際に内金と称して支払われるもののなかには、手附としての性質をもつものが少なくないといわれており、もしそうだとすれば、内金などの名称が使われていても、諸般の事情から手附と認められる場合が少なくないかも知れません。手附は、契約成立(締結)の証拠となり(証約手附)、これが、手附の最少限度の効力でありますが、さらに、解除権留保の意味をもち(解約手附)、契約不履行の際の違約金としての意味をもつこと(違約手附)などがあります。実際の取引では、違約手附が多いといわれている(手附は原則として違約手附とみるべき)。判例は、違約手附が同時に解約手附をかね、二様の働きをすることは矛盾ではないとしますが、学説では判例に反対する説もあります。かりに、本問の内金が手附でないとすると、AはCに二重譲渡し登記も済ませてしまっている以上、Bとの契約は通常、履行不能であり、Aの責に帰すべき事由によるものであるため、契約を解除して既払金の返還と損害の賠償を請求することができます。
仮に内金が手附だとすると、通説は、特段の事情がないかぎり、解約手附とみるが、「履行ノ着手」があるので解除できないことになります。しかし、違約手附だとすると、損害賠償の予定の性質があり、BはAに対し手附金の二〇〇万円も含め合計四〇〇万円の支払を請求できます。
AとBとの間で売買の予約があって所有権移転請求権保全の仮登記がなされていれば、この仮登記には順位保全の効力があるため、その後において、Aが同じ不動産をCに売却し本登記まで済ませていても、Bはその仮登記を本登記に直すことによってCに対し所有権取得を対抗できます。
借家人が居住している建物を売買の目的とした場合、買主は、売主から、その建物の引渡をうけた時以後、家賃を取得できます。

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