契約の解除2

Bは印刷業をやっていました、印刷職工もやめて少なくなり、Bも老齢になったので、印刷業をやめて、印刷機械を知人の紹介でAに五〇〇万円で売りました。機械は全部Aに渡し、Aから内金として二五〇万円を受けとりました。しかし、残金の支払期日がきても言を左右にしてAは払いません。
Bが契約を解除したら、A、Bはそれぞれ何を返還することになるでしょうか。機械が値下りして、四〇〇万円くらいの値打しかないとしたら、Bは損害賠償の請求ができるでしょうか。
Bが契約を解除する前に、Aがその印刷機械をCに売却していたとしたら、BはCにその印刷機械の返還を請求することができるでしょうか。
Bが契約を解除したところ、Aは、「印刷機械の修理に五〇万円かかっている。その分を返してくれ」とBに主張してきました。どう解すべきでしょうか。
これとは逆に、Bが印刷機械をなかなか渡さないので、Aが契約を解除したとした場合に、解除の前にBが代金債権をDに譲渡していたとすると、DはAにその代金の請求をすることができるでしょうか。

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解除に遡及効を認め、未履行の債務は消滅し、既履行の部分は目的の消滅によって法律上の原因を失うにいたるから不当利得として返還をする、ただし返還の範囲は原状回復であるから、現存利益ではなく給付を受けたもとの利益である、とするのが通説の立場です。また、解除は損害賠償の請求を妨げず、その範囲は填補賠償であるとされます。したがって、A、Bともに相手方より履行を受けた部分を返還し、Bは損害賠償の請求ができます。
解除による原状回復に際しては第三者の権利を害しえません。解除に遡及効を認める立場では(直接効果説)、目的物の解除前の第三取得者はまさにこの規定により保護されることとなります。もっとも、この保護を受けるためには、第三取得者は対抗要件を備えなければなりません。したがって、もし相手方が解除者に目的物を返還し解除者が第三取得者よりも先に対抗要件を備えたとすれば、第三取得者はこの保護を受けられません。通説は、第三者保護の問題と構成しながら実質は対抗問題として処理しているに他ならない、という批判のなされる所以です。解除に遡及効を認めない立場では(間接効果説)、解除によっても解除者から相手方への物権変動は消滅せず、相手方から解除者への復帰的物権移転と第三取得者への物権移転とは二重譲渡と同様の関係にたち、対抗問題として処理されるのは当然ということとなります。
解除によって物を返還すべき者が、目的物につき必要費、有益費を出したときは、その償還を請求できると解されています。
解除によって消滅する契約上の債権そのものの譲受人、差押、転付債権者、第三者のためにする契約による債権取得者、履行引受契約による債権取得者などは、給付目的物についての第三者の利益が保護される前述の場合と異なり、契約上の債権そのものは解除によって消滅するのであるから、ここにいう第三者に入らず保護を受けないとするのが通説です。

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