懸賞広告

Aは封筒にいれておいた論文を公園で散歩している間に紛失したので、すぐ新聞に「拾った人には一〇万円を報酬として与える」旨の広告をだしました。この論文はB新聞社が毎年行たっている懸賞論文に応募するために書いたものです。
Cは公園でそれを拾い、二日おいて、中に入っていた名刺をたよりにAの住所にわざわざもってきました。Cは報酬の一〇万円をもらうことができるでしょうか。
AはB新聞社の懸賞論文に応募したところ、B新聞社は、今年は優等者はいない、特に佳作として五名のものに優等者に与える賞金を分割して与えると発表した。有効でしようか。
B新聞社は、懸賞論文の広告を出してから、大規模なストがあり、今年はこれをやめると広告を出しました。すでに応募した者も二〇名前後はいます。応募した者は、判定を要求して、報酬をもらうことはできないでしょうか。

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この場合、論文を拾ったCが同封の名刺をたよりに、しかも二日おいてAに届けたのであるから、CはAが懸賞広告を出したことを知らなかったものと思われます。さて、懸賞広告の法的性質については、契約説と単独行為説の対立があります。両説の主要な差異は、懸賞広告を知らずに指定された行為を完了した者に報酬請求権を認めるか否かにあります。契約説では、第三者の指定行為の完了が承諾の意思の実現であるとされているため、第三者が指定行為を完了するについて、懸賞広告に表示されている申込を承諾する意思をもってなさなければ契約が成立しないこととなり、単独行為説では、停止条件附設務負担行為と解するから指定行為の完了が条件の成就となります。近時は単独行為説が有力といえます。懸賞広告の規定の住設などから、これを契約の申込と考うべき余地もなくはなく、そうだとすると契約説をとるべきかのようですが、同一の指定行為を完了していながらたまたま広告を知らずになしたため報酬請求権がないとするのは不都合であり、Cに報酬請求権を認めてよいことになります。
広告に指定した行為をした者が数人あるときに、その優等者にだけ報酬を与えるという広告を優等懸賞広告といいます。この優等者とは、客観的基準による絶対的優等者を指すのではなく応募者中の相対的優等者を意味するから、応募者が存在するかぎり優等者なしとして報酬(賞金)を出さないことは認められませんが、本問のように金額に変更を加えず下位該当者を増してこれらに分割することは妨げないと解されています。
懸賞広告の撤回には制限が附されており、その一つとして、指定行為を完了した者がでた以上は撤回は許されないとされています。したがって、B新聞社に応募した者は判定を要求し報酬をもらうことができます。ただし、ストのためB新聞社の平常業務が停止しているとすれば、原則として先の懸賞広告と同一の方法で、ストが終結し平常業務が行なえるまで判定時期や報酬の授受を延すことは、事情変更の原則の趣旨から認められます。全く中止することは許されないと思われます。

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