当事者双方の欠席

Xは、Yに対し預金払戻請求の訴訟を提起しました。第一回口頭弁論期日は平成一八年二月一二日と指定され、呼出しが適式に行なわれたましたが、X・Yともに同期日に欠席しました。その後、当事者から期日指定の申立てはありませんでしたが、裁判所は職権で同年三月一二目に第二回口頭弁論期日を指定し、呼出しをしました。この期日にもX・Y双方欠席。その後、六月八日になってXが期日指定の申立てをしてきました。
裁判所が職権で第二回弁論期日を指定したことは適法でしょうか。
裁判所はXの期日指定の申立てを却下すべきでしょうか。もし、第二回弁論期日の指定が当事者の申立てに基づいてなされた場合にはどうなるでしょうか。
当事者が双方欠席と期日指定の申立てをそれぞれ一四回繰り返したという例が報告されていますが、このような場合、裁判所はどう処置すべきでしょうか。
そして、次の期日における双方欠席の場合は、どのような効力が生ずるでしょうか。
(イ) 控訴審の口頭弁論期日。
(ロ) 手形判決に対する異議後の口頭弁論期日。
(ハ) 仮執行官言行支払命令に対する異議後の口頭弁論期日。

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通説のように、当事者双方の不出頭を訴訟手続の事実上の停止と解せば、当事者の側からの新期日指定の申立てがなくとも、裁判所は三ヵ月以内ならば職権で期日を指定できます。これに対し、旧民事訴訟法一ハ八条と同様、訴訟手続の休止と解せば、裁判所の職権による期日指定は、訴訟手続中断申の訴訟行為となるから不適法です。現行法は合意による訴訟手続休止の制度を廃止し、職権進行主義を強化したから通説・判例の立場が正当です。
期日指定の申立ては、当事者双方欠席の口頭弁論期日の翌日から起算して三ヵ月以内にしなければなりません。本問の場合は職権で指定された第二回口頭弁論期日の翌日から起算されます。したがって、Xの期日指定の申立ては適法です。もっとも、この点については双方欠席の第一回口頭弁論期日から計算すべしとする反対説があります。重ねての双方欠席によって訴訟遺行の熱意を欠くことが明らかになっているにもかかわらず、第二回期日から計算することは、双方不出頭の制裁を規 定した民事訴訟法二三八条の趣旨に反するというのが、その理由です。しかし、二三八条は期日がいかなる事情のもとで指定されたかを問題にしていないから、前者が正当でしょう。第二回期日の指定が当事者の申立てに基づくときには、いずれの見解によっても三ヵ月の期間は第二回口頭弁論期日から計算されます。
名古屋地決昭和四〇年九月三〇日は、実に双方欠席と期日指定申立てか二四回繰り返した事案です。裁判所は第一七回期日の指定申立てに対し、本訴追行の意思がないか、あってもはなはだ稀薄であると認定し、かかる訴訟の引延しを認めることは裁判制度への国民の信頼を害するとし、申立権の濫用を理由に第一六回期日指定の裁判を取り消し、第一七回期日指定の申立てを却下しました。注目すべき決定です。
(イ)(ロ)の場合については、二三八条の準用があり、それぞれ控訴取下げ、異議の取下げが擬制されます。これに対し(ハ)の場合には明文の準用規定がありません。仮執行宣言後の異議を控訴の提起と同じようにみて異議の取下げが擬制されると解すべきでしょう。反対説は仮執行宣言前の異議の場合と同様、訴え取下げが擬制されるとします。

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