準備手続

Xは、その所有にかかる家屋をYが不法に占拠しているとして、所有権に基づく家屋明渡請求訴訟を提起しました。準備手続期日が二回実施されましたが、いずれもYは欠席。裁判官はそのまま準備手続を終結しました。ところが、第一回口頭弁論期日に出頭したYは、自分はXより借地権の設定を受けて使用していると抗弁し、これを立証するため証人尋問を申請しましたた。
Yの抗弁や証人尋問申請は、次のような事情があれば却下を免れうるでしょうか。

(イ) XがYの抗弁や証拠の提出に同意したとき。
(ロ) 他の証拠調べなどのため、どうせ続行期日を実施しなければならないとき。
(ハ) 外国出張または在監中のため準備手続を欠席したとき。
(ニ) Yが訴訟について全く知識を有しない老人であるとき。
(ホ) 風邪のため準備手続を欠席したとき。

設例において、第一回の準備手続でYが欠席したとき、裁判官はただちに準備手続を終結することができるでしょうか。

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設例において、準備手続中家屋がYの失火で焼失したことにより、Xが損害賠償請求に訴えを変更しようとしたとすれば、その申立ての適否は準備裁判官が裁判するでしょうか。
準備手続とは、口頭弁論における審理とくに証拠調べを集中的に行なえるようにするために、争点の整理および証拠の整理その他必要な事項につき、準備手続をする裁判官の主宰の下で、当事者が協議をする弁論の予行手続です。準備手続を経た場合、口頭弁論期日においては、準備手続において陳述し調書に記載された内容について当事者が繰り返して陳述する必要はなく、準備手続の結果を陳述することで足ります。一方、準備手続において提出しなかった攻撃防禦方法は、原則として口頭弁論において提出できなくなります。しかし例外的に、(イ)新たな主張に対し、相手方に異議がなくかつこの点に関する証拠調べが即時に施行される場合や、(ロ)他の事項の審理のために時間を要する場合のように、それによって著しく訴訟を遅滞せしめないとき、(ハ)(ニ)準備手続で提出しなかったことについて、故意または重大な過失のなかったことを提出者が疎明したときには、提出することができます。(ホ)当事者の一方が準備手続の期日に出頭しないとき、その者が訴状または準備手続前に提出した準備書面に記載した事項は、口頭弁論において主張することを妨げられません。
準備手続は、争点および証拠の整理がついたとき、または当事者の怠慢によりそれを期待できないときに終結します。それゆえ、裁判官は準備期日を第一回だけで終結することができますが、民事訴訟法二五五条の適用上第一回期日の欠席で直ちに準備手続を終結することは妥当でない場合もあります。なお、その期日に当事者が欠席したことについて正当な事由があれば、重大な過失がないといえるので、その点を疎明すれば口頭弁論において新たな主張の提出が許されます。
準備手続中の事件は準備裁判官を介して受訴裁判所に係属していると解する立場によれば、ほんらい受訴裁判所の権限に属する訴えの変更の許否について準備裁判官はみずから判断できないのに対し、事件が準備に付されるとともに受訴裁判所の構成が変わって、準備裁判官がこれに交代し、準備が終結すればまたもとの裁判官に戻ることが予定されている関係にあるとみる立場によれば、準備裁判官がみすから判断し得ることになります。

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