債権者代位訴訟1

人気タレントAは、X建設に注文してデラックスな新邸を建てました。工事完成後、Xは、請負代金二五〇〇万円の支払いをAに請求したが応じてくれず、新邸はすでに銀行の巨額の債権のために抵当に入っています。ただ、Aは、Yプロダクションに対し三〇〇〇万円の出演料債権をもっていることが分かったので、Xは債権者代位権によりAに代位して、Yに対しこの出演料の支払いを求める訴えを提起しました。
代位訴訟の係属中に、Aの友人がAのためにXに対する請負代金を支払いました。代位訴訟はどうなるでしょうか。
Aは、Xの側に補助参加することができるでしょうか。
代位訴訟の係属中に、A自身がYに対する出演料支払請求の訴えを提起したとすれば、裁判所はどう処理すべきでしょうか。
Xの代位訴訟の継続中に、Aの新邸のインテリア設備を担当したGが、さらにAに代位してYに対し重ねて出演料支払請求の訴えを提起しました。裁判所は、どう処理すべきでしょうか。また、Gは、Xの代位訴訟にX側の共同訴訟人として参加することができるでしょうか。

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X、Yの訴訟において、XがAに対して債権を有するということは、本来Aに帰属する債権につき、Xが原告となって訴えを提起する資格(当事者適格)が認められるための要件です。そこで、XのAに対する債権が弁済されれば、Xは原告適格を失うので、そのことが訴訟上明らかになれば、裁判所は訴えを却下すべきです。
通説、判例によれば、代位訴訟の判決の効力は、代位債権者の勝訴、敗訴を問わず、訴訟物たる権利の帰訳者である債務者に及ぶとされます。そこで、AはXの受けた判決に拘束されるから、「訴訟ノ結果二付利害関係ヲ有スル」ことに疑いなく、補助参加できます。債権者勝訴の場合にのみ債務者に判決の効力が及ぶとの説によっても同様です。いずれの説によっても、この場合は共同訴訟的補助参加となります。
通説、判例は、債権者が代位訴訟を提起した後は、債務者は処分権を失い、自ら訴えを提起できないとします。そこで、裁判所は、二五〇〇万円の限度では、Aの訴えを却下すべきです。もっとも、AがXの債権の存在を争って、X、Y間の訴訟に七一条の参加をすることは妨げません。これに対し、Aが自分で訴えを提起すれば、Xの代位訴訟の方が不適法になると説く少数説があります。
通説、判例では、Xの代位訴訟の判決の効力は、Aを媒介としてGに及ぶと解されるし、Gが同一債権につき別訴を提起すれば、既判力抵触のおそれがあり、また審理が重複します。そこで、裁判所は、Gの訴えを二言起訴の禁止に触れるとして却下すべきです。これは、Xの訴えの目的たる二五〇〇万円を超える部分についても同様に解すべきです。しかし、Gは、Xと同等の資格でAの権利を代位行使できるから、Xの訴訟に共同訴訟参加できます。この場合、X、Gは、類似必要的共同訴訟の関係で、Aの権利を共同に代位行使します。X、Gは、単独で、請求の範囲を三〇〇〇万円に拡張できます。

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