確認の訴え4

A男とB女は夫婦ですが、二人の間には娘Cがいるだけで男の子がいませんでした。たまたま、未婚のD女がF男と通じて男の子Xを産み、養育に窮しているのを知り、養子にする意思でXを引き取り、A・B間の嫡出子として出生届をしました。Xは、長ずるに及んで自己の出生に疑問を抱き、訴訟による解決を得たいと思うに至りました。
Xは、AおよびBに対し親子関係不存在確認請求の訴えを提起したとします。この訴えは適法でしょうか。
AおよびBがすでに死亡している場合には、Xは、A・Bと自分との間の親子関係不存在確認の判決を得ることはあきらめなければならないでしょうか。
Xは、AおよびBの死後、Cを相手どって姉弟関係不存在確認の訴えを提起したとします。この訴えは許されるでしょうか。
Xが提起した訴訟の口頭弁論において、被告が、Xの「自分はD女がF男との間で産んだ子である」との主張を認める旨、あるいは、Xの論求を認諾する旨の陳述をした場合、裁判所はこれをどのように取り扱うべきでしょうか。

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親子関係不存在確認の訴えは、真実は親子関係がないのに、公簿上親子関係があるものと記載されている場合に提起される訴えです。設例の場合、AB・X間には親子関係がないのに戸籍上それがあるものとして記載されているのであるから、XのA・Bを共同被告とする質問の訴えは適法です。A・BがかりにXとの間に親子関係が存在しないことを認めていても戸籍に親子関係が記載されている以上これを消すために訴えの利益が認められます。
A・Bのいずれか一方が死亡すれば生存者のみを被告として、父子関係または母子関係の不存在確認の訴えを提起することができます。
A・Bともに死亡した後は、親子関係の確認は、一般に許されないとされる退去の法律関係の確認になると考えられるし、もはや親子関係を拘束する趣旨の確認の訴えを認める必要はなくなります。したがって、親子関係を前提とする血族関係の存否をめぐる争いは個々別々に解決すればたりることになります。人事訴訟手続法には特殊な事件の被告になる適格者の死亡後は検察官を被告となしうる旨の規定がありますが、これらの規定は身分関係の遡及的な変更を目的とする形成の訴えに関するものであって、そのうえ適格者死亡後にもいろいろな関係から後始末をする必要があることによるものであるから、これを確認の訴えに類推することは適切ではありません。しかし判例はA・Bともに死亡後も検察官を相手にしてこの訴えを認め、これを支持する学説が最近の通説です。
XはA・Bの死亡後でもCを被告として姉弟関係不存在確認の訴えを提起することは許されません。親子関係は基本的法律関係としてここから多くの個別的法律関係が派生しますが、姉弟関係は親子関係とはこの点でかなり性質を異にするため、前者の存否は確認訴訟の対象にはなっても、後者の存否は確認の対象とはされず、後者を先決問題とする個別的法律関係をめぐる紛争を訴訟の対象にすれば足ります。
およそ人事訴訟にあっては、実体的真実発見の要請から、職権探知主義がとられるため、請求の認諾、裁判上の自白に関する規定の適用は排除されます。自白は裁判所を拘束しません。

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