確認の訴え2

学校法人Y医科大学では、ながらく理事長として腕をふるってきたXが理事および理事長を辞任したので、後任としてZが理事に選任され、理事長となりました。ところが、Xは、その辞任の意思表示は強迫によるものであったとしてYに対し取消しの意思表示をしたうえ、Y・Zを相手どって訴えを提起し、Yに対しては、Zを理事に選出した理事会、評議員会の決議の無効確認を求め、Zに対しては、Xが理事かつ理事長たる地位にあることの確認を求めました。
学校法人の理事会などの決議につき、私立学校法では商法二五二条を準用する旨の規定をおいていませんが、その決議無効の確認を求める訴えは許されるでしょうか。
Yの訴訟代理人は、口頭弁論において、「原告主張の事実は全部認める」とだけ答弁しました。裁判所は、どのように処理すべきでしょうか。
第一審係属中に、Xは、Zに対する訴えを取り下げ、Yに対するX勝訴の判決が確定したとします。その後、Zは、自己がYの理事かつ理事長であることの確認を求める訴えを、XおよびYを相手どって提起しました。裁判所は、どのように処理すべきでしょうか。

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学校法人の理事会などの決議につき私立学技法には商法二五二条を準用する規定がありません。反対説はあるが、これを類推する必要は一般にありません。設例の場合Xの地位をZが争っていれば、Zとの間では、Xの地位を確定すればXの地位の不安定は除去され、とくに商法二五二条を類推する必要もありません。また決議が無効でも、これに基づく現在の具体的権利の存否の確認を求めればたりるから、過去の決議の効力を争う利益なしとも考えられます。しかし、法人という組織体のしたがって関係人全員につき法律関係の画一的継足をはかる必要から、請求認容判決の効力を拡張する必要があり、それがため商法二五二条の類推がなされます。
理事会の決議無効の訴えについても弁論主義が適用され、職権探知が行なわれるわけではないから、Yの訴訟代理人が原告主張の事実を全部認めるとの答弁は、被告Yの自白になり裁判所の事実認定を拘束します。この答弁は事実に関するから自白であって、請求に関するものではないから請求の認諾ではありません。
Zに対してXが理事かつ理事長たる地位にあることの確認を求める訴えは即時確定の利益を欠き不適法です。法人を当事者とすることなく、当該法人の理事者たる地位の確認の訴えを提起することは、たとえ請求認容の判決があっても、その効力はXとZ間にのみおよびYには及ばびません。したがって、Yとの関係で何人もこの判決に反する法律関係を主張することを妨げられたいから、理事者Xの地位をめぐる関係当事者間の紛争を根本的に解決する手段として有効適切な方法とは認められないからです。すなわち、XがYを相手方として新理事者選任決議無効の確認を訴求する場合は、その請求認容判決によりXの理事者たる地位が確定されるから、事柄の性質上何人も法律関係の存在を認めるべきことになり、判決は対世的効力を有するといわなければなりません。そこで法人の理事がこの種の訴えを提起するにあたり、当該法人を相手方とすることにより、はじめて理事者の地位をめぐる関係当事者間の紛争を抜本的に解決しうることになるのです。
X・Y間の判決の効力はZにも及ぶから、別の決議により理事に選任されていないかぎり、Zの請求は既判力にふれ理由を欠きます。

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