民事訴訟解決の手段

東京に在住の未婚女性Xが、お正月の休みに信州ヘスキーに行き、ゲレンデで練習していました。その時、そのスキー場を経営する長野市のY会社に雇われたパトロールを実施中のアルバイト学生Aが、上方から無謀なジャンプをしてきて、折から転倒して起き上がれないでいたXの顔面にスキーの尖端を接触させ、重傷を負わせました。現在、Xはその損害の賠償をYに要求しているが、Yには誠意がみられません。
そこでXとしてとりうる裁判上の手段としては、どのようなものが挙げられるでしょうか。また、それらの手段のうち、どれが本件におけるXに適していると思われるでしょうか。
Yを相手どって訴えを提起するとすれば、Xは、どこの裁判所でどのような手続をすればよいでしょうか。その手続は、Xが自身でやれるのか、あるいはだれに頼めばよいでしょうか。
そして、Yに対し、Xに賠償金を支払えとの判決がなされたならば、その後どのような具体的経過を経て、Xは現実に賠償金を手にすることになるでしょうか。

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Xのとりうる手段としては、YおよびAに対する訴えの提起のほか、起訴前の和解の申立て、支払命令の申立て、調停の申立てが挙げられます。どれが適しているかは、一概にはいえませんが。ただ、Xの住所地である東京の裁判所で手続をするためには、訴え提起の方法によるほかありません。訴えを提起すれば、相手方の態度いかんにかかわらず、判決による強制的な紛争解決が得られるし、訴訟の過程において訴訟上の和解や調停が成立する可能性も少なくない。しかし、訴訟に要する手数、費用、時間などの負担を考えると、当初から譲歩を予定して調停の申立てをする方が結局において得策である場合も、充分ありえます。これに反し、起訴前の和解の申立ては、すでにおよその話合いができていて、和解期日における双方の互譲による和解成立をかなり確実に見込むことができる場合でないと、おそらく目的を達しないであろうし、支払命令の申立てによる方法も、責任や賠償額につき争いがある以上、支払命令に対し債務者から異議が出て訴訟になる可能性が大きいといえます。
Xとしては、請求金額が三〇万円を超えるならば、東京地裁あるいは長野地裁に損害賠償請求の訴状を提出することになます。Xが成年に達しておれば、訴えの提起は、X自身でもできますが、未成年ならば、法定代理人によらなければならず、また、だれかに訴訟を委任するのであれば、その相手は弁護士でなければならりません。
Yが任意に賠償金を支払わないときは、Xは、仮執行宣言付判決あるいは確定判決の正本に執行文の付与を受けたうえ、執行官あるいは執行裁判所に強制執行の申立てをし、Yの財産を差し押え、その換価によって得られた金銭の交付ないし配当を受けることができます。

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