遺留分類の算定

遺留分は、分数的割合で定まっているので、それを算定するためには、その計算の基礎をなす被相続人の財産額を碓定することが必要です。民法では、この算定の基礎となる財産額は、被相続人が相続開始の時において有した積極財産の価格に、その贈与した財産の価格を加え、その中から、相続人に承継された債務の全額を差引いたものであると規定ししています。

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遺留分の算定基礎額を決めるに当り間題になるのは、次ぎのようなことです。
被相続人が生前に贈与した財産は、相続開始前の1年内にしたものに限り、生前に贈与した財産額の全部を無制限加算することは、被相続人の意思に反し、取引の安全を害するからです。ただし、当事者双方が、遺留分権利者に損害を加えることを知ってなした贈与は、相続開始の1年以前になしたものでも加算されます。
婚姻、養子縁組または生計の資本として相続人に対してなされた贈与は、被相続人の意思やその時期に関係なく、かつ遺留分権利者に損害を加えることを知っていたか否かにかかわらず、全て加算できます。
売買のような有償行為は、間題になりませんが、被相続人が、ある相続人に対して不相当な対価でなした有償行為は実質的には贈与と近似するために、民法では当事者双方が悪意でなした不相当対価の有償行為に限って、時期の如何にかかわらず、贈与とみなして加算しています。
算入される贈与の目的財産がすでに滅失し、また価額が増滅した場合であっても、その原因が受贈者の行為によってなされたときは、民法は、相続開始当時なお原状のままで存するものとみなして、これを加算すべきものとしています。
相続人が相続した債務は、その種類の如何を問わず、全額を控除します。上述の基準により算入計算された総額から債務の総額を控除して残った額が、遺留分算定の基礎たる被相続人の財産です。この場合、遺贈ないし贈与のうちに、遺留分権者たる相続人のうけたものがあるときは控除することになります。
相続によって得た積極財産から、承継した債務および遺贈によって負担した債務の全額を控除した額が遺留分額に達しない場合は、遺留分権利者またはその承継人は、その不足する部分だけ遺贈および贈与の滅殺を請求することができます。遺留分を侵害する遺贈や贈与が無効になるのではありません。遺留分滅殺請求権は、1年以内に、遣留分を保全するに必要な限度で行使しなければなりません。滅殺請求権の行使は自由であり、相手方に対する滅殺の意思表示によればよく、特別の方式を必要としません。裁判上の行使でもかまいません。滅殺の順序は、第1に遺贈を、第2に贈与を、後の贈与から順次前の贈与に及ぼすことになります。
遺留分の滅殺が行われると、遺留分の保全に必要な限度で、遺贈およぴ贈与の効力が消滅し、滅殺の意思表示とともに当然に物権的に生じます。つまり遺贈、贈与の未履行のときは、相続人、滅殺請求者は履行義務を免れ、すでに履行されているときは返還を求めることができます。履行された目的物が特定物であるときは、滅殺の意思表示により当然に所有権が復帰すると解されます。

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