遺言行為の特性

遺言とは、ある人が財産のことや家族のことについて、死亡後にその効力を生じさせる目的で、一定の方式によって行なう単独の意思表示です。つまり遺言は法律行為に属しますが、終意処分であるために一般の法律行為とは異なった性格を有します。まず遺言は相手方のない独立の単独行為であるために、遺言には同意や代理は許されず、原則として意思能力があれば行なうことができます。民法では満15歳以上の者に遺言能カを認め、それ以下の者の遺言は、すべて無効としました。次に遺言は、終意を尊重し死後に効力を生じるために、その真意を確保し偽造や変造の危険を防止するために、厳格な要式行為が要請されると同時に、その公正、確実をはかるために厳正な証人や立会人を定める必要があります。なお遺言行為の意思の欠陥や意思表示の瑕疵については、民法総則の適用があるとされています。死亡によって効力が生じる点は、死因贈与と同じであり、単独行為の点で死因贈与と異なります。遺言はは前記の要請の調和の為に法定事項についてのみなし得ます。なお、遺言は相手方のない終意処分であるために、民法は遺言内容の明確化を期するために、厳格な方式を定めるほか同時にその解釈についても、独自にその基準を定めています。遺言については、その根本の越旨をみださないかぎり、遺言者の真意を探究して、意思に副った合理的な解釈をしてその実現を図ることが必要です。

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遺言は、遺言者の死亡後において問題となるために、本人の意思を確かめる機会がなく、与えられた効力に異議を述べることもできません。そこで、遺言の方式を一定して遺言者にそれを遵守せしめ、偽造、変造などによる死後の紛争を避けるために、遺言の要式性とその方式についての厳格性が要請せられ、民法も、普通方式と特別方式を定めて遺言を形式化しました。
遺言方式の形式性は、遺言者にとって不便のようではありますが、表意者の真意を明確にし、紛争と混乱を避けるためにはやむを得ません。しかし、遺言の形式性の根本に反しないかぎりにおいて、解釈によりその厳格性の緩和を意図すべきであり、判倒もこの傾向にあります。
自筆証書による遺言は、遺言者がその全文、日付および氏名を自書し、これに捺印しなければなりません。原則としてタイプ印書や記名印は許されません。テープレコーダーヘの吹込みもこの方式のものとしては許されません。この方法は、自分で書いたものならよいのであるため簡単であり、遺言書作成の事実も内容も一応秘密にすることができますが、保管に注意しないと、証書の毀滅や改変の危険があるという欠点があります。
公正証書による遺言は、証人2人以上の立会で、公証人の面前で遺言の内容を口授し、正副2通の証書を作成する方法です。この方式は、毀損や改変のおそれがなく、遺言の内容を確実にするという目的からは最適な方式であり、遺言者自身が書かなくてもよいという点に特色がありますが、要件が厳重で手続が複雑であり、秘密性が保持されないという一面があります。
秘密証書遺言の方式は、遺言の内容を書いた証書を封じ、公証人と証人2人以上の面前に提出して自分の遺言書であることを申述し確認して貰う方法です。自分で自書したものであれば、この要件を欠いても自筆証書遺言として認められます。この遺言書は、遺言の内容を秘密にするとともに、遺言の存在を碓実にする長所があります。

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